太陽と向日葵 (ページ27)

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玲於side

あれから何ヶ月も経って季節は冬

あの日から俺たち3人の関係は何も変わることはなかった

隼「あ、やべ、さっきの店に財布忘れた」

「…ほんとよくなくすよな」

さき戻ってて！って走ってっちゃって

受付通ってAに軽く挨拶してエレベーターに乗る

うしろの鏡でネクタイ整えて髪直してたら

三階で止まってだれか乗ってきた

亜「あ、玲於」

「…おつかれ」

乗ってきたのは亜嵐くんで

同じ部署だからもちろん向かう階も同じ

どうしても気まずい雰囲気が漂う中

先に口を開いたのは亜嵐くんだった

亜「…俺ね、Aちゃんのこと好きだよ」

「…あ、そう、」

亜「玲於もでしょ？」

「俺は…その、」

わかりきってたことなんだよ

亜嵐くんがAのこと好きだって

亜「…こんなんで玲於と仲悪くなる気ないから、俺」

鏡ごしに目が合う

亜嵐くんのこんな真剣な顔、久々にみたかも

亜「だからさ、堂々と勝負してよ」

「…堂々と、」

亜「そ、友達だけどライバルってこと」

なんだよ、それ

亜嵐くんだよ？勝てるわけがない

シュッとしてて髪型だって毎日きまってて

ネクタイもスーツもおしゃれで

気遣いだって性格だって完璧だ

それに比べて俺は背も低いし

性格もひねくれてるし気遣いだって苦手

こんな俺に勝ち目あんのかって話だよな

亜「俺、リベンジするから」

「…前のやつ？」

亜「うん、Aちゃんのこともう一回誘ってみる」

「…がんばれよ」

そう言って先にエレベーターを降りた

がんばれよ、か

そんなん思ってねえんだよ

俺だって好きなのに何ががんばれだよ

自分が言ったことに苛立ちながらデスクについた

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