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_____Aside
玲「ちょっと強い薬使うみたいで…」
多分玲於先生は私が怖がらないように
ちょっと優しい言い方で言ってくれたんだと思う
だけど入院生活が長い私は
周りの人が強い薬で苦しんでいるのを見てきた
" Aちゃん、薬入れてくからね "
私のことを小さい時から知ってる
ベテランの看護師さんが私の腕に注射針を刺した
あぁ、今から私も苦しい思いするんだ
薬が体内に入っていく あの独特な感覚が
今日は今まで以上に嫌に感じた
「…どうして私なの、」
こんなこと考えたくなんかないけど
何十万人、何億人っている中で
どうして私なの
考えれば考えるほど辛くて 嫌で 苦しくて
涙が溢れてきた
「玲於先生、登坂先生…」
どっちでもいいからそばにいてほしい
薬の影響か瞼が下がってきて
ものすごい睡魔に襲われた
" A、A起きて "
聞き馴染みのある声
玲於先生?
ん、違う
この声は登坂先生
「登坂先生…」
臣「あー泣かない泣かない」
少し眠ったらもう体に薬が回ってるみたいで
かなりだるかった
あたまが痛いとかそんなんじゃなくて
ただただ だるい
臣「5日間だけだからちょっとだけ我慢しような」
「…あ、5日後に決まったんだ」
臣「そうだよ、その日俺も玲於も一緒に行くから」
ベッドの脇の椅子に座って頭を撫でてくれる登坂先生
「玲於先生は?」
臣「講座受けに言ってる」
副作用に苦しんでる人の心のケアとか
手術前で不安になってる人にどう接していくか
…私のためだよね
本当に嬉しくてまた泣きそうになっていたら
臣「はいはい、泣かない」
ちょうどご飯が運ばれてきて
今日から手術までの5日間はメニューが変わるらしい
あの柔らかくてあんまり美味しくなさそうなやつ
食べたくないなあ、なんて思っていたら
臣「ちゃんと食べたかあとで確認しにくるから」
いじわるそうに笑って部屋を出ていった
手術まで、あと5日
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ゆらん(プロフ) - syuraaaaさん» コメントありがとうございます。続き書けそうだったら書いてみますね! (2017年11月28日 21時) (レス) id: f5d8f99b27 (このIDを非表示/違反報告)
syuraaaa(プロフ) - 出来たら次編も書いてほしいです、 (2017年11月28日 21時) (レス) id: 9355953dfa (このIDを非表示/違反報告)
ゆらん(プロフ) - あいさん» え!嬉しいです!ありがとうございます( ; ; ) (2017年10月24日 21時) (レス) id: f5d8f99b27 (このIDを非表示/違反報告)
あい - ゆらんさんのお話全部読みました!更新頑張ってください! (2017年10月24日 13時) (レス) id: 32ccc18883 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらん(プロフ) - かりんさん» ありがとうございます!コメント嬉しいです。 (2017年10月15日 17時) (レス) id: f5d8f99b27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆらん | 作成日時:2017年10月14日 20時