スノードロップ

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玲於side



びっくりしたのと安心したのとで、思わずAを抱きしめた

だめってわかってたけど、そうせずにはいられなかった

そしたらあいつ、ちゃんと俺の背中に手まわしてきて


でもそのまま俺の方にぐっと体重預けてきて

気づいたらあいつは意識を失ってた


救急車で運ばれて、今は病室で寝てる

頭を強く打ったとかで検査入院だって



ハナ「…玲於！Aは？」


玲於「…まだ起きない。亜嵐くんも電話繋がんねえし」


ハナ「…お墓、まだいんのかな」


玲於「…ちょっと電話かけてくるわ」



病室のドア閉めて、ひたすら亜嵐くんに電話をかけた

5回目くらいでやっと出て



玲於「…あ、亜嵐くん」


亜嵐「…ごめん、出れなくて」


玲於「Aがさ、怪我して」


亜嵐「…怪我？」


玲於「そう、だから早く来て」


亜嵐「…ごめん、今はちょっと」


玲於「…え、彼女怪我したんだよ？」


亜嵐「…わかってる」


玲於「なに、心配じゃねえの？」


亜嵐「心配に決まってんじゃん、」


玲於「…あいつより大事な用事なんだ？」


亜嵐「…いや、とりあえずあとで絶対行く」



俺ならAが怪我して運ばれたなんて聞いたら

どんな用事だろうと抜けて行くのに

彼氏の亜嵐くんがなんであいつを優先しないのか

それに腹が立って仕方なくて


一回病室戻ったらA、目覚ましてて

ハナちゃんに質問ぜめされてんの



A「…玲於くん」


玲於「…大丈夫なの」


A「…うん、ごめんね」


玲於「……心配かけんなよ」



亜嵐くん、すぐ来るって。って思わず嘘ついたけど

やっぱり亜嵐くんは1時間経っても2時間経っても来なくて

…来ないねって何回も言ってるA


亜嵐くん、凛って子のとこにいんの？

死んだ凛って子のとこに？


…誰なんだよ、凛って



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