狂 愛

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Aside




臣くんからたまに名前は聞いてて知ってた佐野さん

落としちゃったタオル拾ってくれて

いい人だな、優しそうって思ってた






" 知っててなんで付き合ってんすか "


" 遅くないよ、まだ遅くない "


" Aちゃんは、もっと幸せになれる "


" ねえ、俺にしない？ "


" でもAちゃんは裏切られてんじゃん "






佐野さんに言われた言葉、すごいぐさっと刺さって

だけど佐野さんの言葉はきっと全部正しい



臣くんの事裏切れない、なんて言ってるけど

臣くんは私のことなんてとっくに裏切ってる



愛してるって会う度言ってくれるけど

私以外の人にも言ってること、わかってる



私は所詮浮気相手で

臣くんにとっては2番目

わかってる、全部ちゃんとわかってる





" ねえ、俺にしない？ "





家に帰ってからもその言葉が頭から離れなくて

佐野さんも、私のこと遊んでるのかな

また浮気相手なんて嫌だ



浮気相手だって知っててこのままでいるのが

どれだけ人として最低か、私が1番わかってる



だけど気づいたら引き返せないところまで来てて

ああ、何やってんだろう

そんな事を考えていた時に光った携帯の画面





玲 ＜ 佐野です、今時間大丈夫ですか？ ＞





…佐野さんだ、なんて返そう

悩んでいたらまた光った画面





臣 ＜ A、今から俺のみ行ってくるわ ＞





臣くんからこのラインが来る時は彼女と会ってる時




飲み行くから家にはいないよ、来ても無駄だよ

彼女と家であってるからこないでね、

こうゆう事なんじゃないかなって勝手に思ってる




だって前に見たもん、彼女とマンション入ってくとこ

友達と飲み行ってくるって私に連絡しといて

彼女と鉢合わせにならないようにしてるんでしょ？




…わかってるよ、わかってる




あれ、なんでだろう、慣れてるはずなのに

涙が止まらない

臣くん、本当はどっちが好きなの？

佐野さんは何を考えてるの？




…ねえ、これ以上私で遊ばないでよ、



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