狂愛 (ページ5)

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玲於side

「…ちょっと」

亜「うわ、なに怒ってんだよ」

昨日のこと問い詰めてやろうと思って待ち伏せてた

怒ってる俺の事みて呑気に笑ってやがる

「…Aちゃんの事べらべら喋んなよ、」

亜「あー隼に？」

「隼に」

亜「いいじゃん、好きになった訳でもないんだし」

「…まあそうだけど」

亜「怒らない怒らない！」

「…このハゲリーダー」

亜「聞こえてんぞー」

他のメンバーには絶対言うなよ、って釘をさして

これでとりあえず安心だってエレベーターに乗った

「…あ」

A「あ、佐野さん」

「…え、俺のこと知ってんすか？」

A「臣くんからよく聞いてますから」

「臣さんの彼女、ですもんね」

A「…彼女、なんていっていいのかな、」

「…え？」

A「私、臣くんにとっては浮気相手だから」

…この子は知ってるんだ、自分が浮気相手だって

自分の他に彼女がいる事も、2番目だってことも

「…知っててなんで付き合ってんすか」

A「…好きで好きでしょうがないから」

「…でも、」

A「浮気相手でもいい、それでも一緒にいたいの」

ああ、本当に臣さんが好きなんだって

浮気相手でもいい、なんてなかなか言えねえよ

だめだよ、まだ若いんだし

この子は絶対もっと幸せになれる

A「…でもね、どっかで私の方から引かなきゃって思ってる」

「だったらなんで、」

A「…好きなんだもん、そんなに簡単に諦められない」

「…遅くないよ、まだ遅くない」

A「…え？」

「Aちゃんは、もっと幸せになれる」

ああ俺、何言ってんだ

浮気相手とはいえ先輩の彼女に何言ってんだろう

俺のこと、じっと見つめて泣きそうな顔してる

今、なに思ってる？

「…ねえ、俺にしない？」

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