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Aside





玲「俺ここで待ってる」


「行ってくるね」




心配そうにこっち見てる玲於くんに手振って

もう乗り馴れてるエレベーターに乗り込んで

今から臣くんに会うんだ、そう思うと胸が苦しくなった


指定された時間の3分前

ドアの前で深呼吸して、インターフォン、押した




臣「…ん、入って」


「…あ、お邪魔します」


臣「どうぞ」




まるで他人みたいな、初対面みたいな会話

これでも一応、まだ付き合ってるのに




臣「あ、携帯…変えた?」


「うん、電源つかなくなって」


臣「…俺が投げたから?」


「そうだと思う」




そこからまた、中身のない他人同士みたいな会話して

この前会った時とも付き合いたての時とも

全然違う雰囲気だった




臣「あのさ、」


「ん?」




しばらくの沈黙のあと、黙ったまま抱きしめられて

臣くん、って名前呼んでも何も言ってくれない


だけどなぜか心地よくて

前はこんなふうによくぎゅってしてくれたな




臣「ごめん、これで最後にするから」


「最後?」


臣「…うん、最後。…約束するから」


「ちょっと待って、どうゆう…」


臣「お前のこと、もう好きじゃない」


「…え」


臣「…お前のこと、好きじゃないから」


「臣くん、」


臣「Aだってとっくに俺なんて見てねえだろ?」


「そんなこと…」


臣「…玲於のほうがお前のことちゃんとわかってるよ」




最後だから、ってもう一回抱きしめられて

耳元で聞こえてくる臣くんの声は、少し震えてて


でもどうしたの?なんて聞けなくて

だって、泣いてるってわかってるから

どうして臣くんが泣くの?

…なにが嫌だ?なにが悲しい?




臣「今までごめん」


「なに言ってるの、幸せだったよ」


臣「…ほら、玲於待ってんじゃないの?」


「…臣くん、」


臣「…うん、別れよっか」


「…私のこと」


臣「もう好きじゃない」




友達としては好きだけどね

そう言われてほんの少しだけ、安心した


ほら早く、って手、優しくつかまれて

前に手縛られた時と全然違くて、すごく優しくて

色んなこと思い出して勝手に涙が出て




臣「…あぁもう、なんで今泣くんだよ」


「…ごめん、色んなこと思い出して」


臣「ありがとう、A」


「ありがとう」


臣「…またご飯、行こうな」




ばいばいって振り返ったら

優しくて、私が好きになった時と同じ顔した臣くんがいて

私、ほんとに幸せだったんだな



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ゆらん(プロフ) - 玲亜さん» ありがとうございます、待っててください! (2018年2月25日 2時) (レス) id: f5d8f99b27 (このIDを非表示/違反報告)
玲亜(プロフ) - 更新待ってます(><) (2018年2月25日 2時) (レス) id: 57fa1cde7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆらん(プロフ) - しをちゃさん» ほんとですか!ありがとうございます( ; ; ) (2018年2月12日 21時) (レス) id: f5d8f99b27 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!玲於くんが素敵過ぎて鼻血出ます(o ̄∇ ̄o)♪ (2018年2月12日 21時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらん(プロフ) - ははりんさん» はじめまして、コメントありがとうございます!! (2018年2月4日 21時) (レス) id: f5d8f99b27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆらん | 作成日時:2018年1月14日 19時

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