狂愛 (ページ4)

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玲於side

まだ好きにはなってないから大丈夫って

自分の中で何回も言い聞かせて、そう思わせた

うん、大丈夫

ちょっと可愛いなって気になってるだけだ

明日になったらこの気持ちも薄れてるだろう、

ひたすら自分にこう言い聞かせることしかできない

「…おせえよ、何時間待たせる気だよお前」

隼「いやいや、玲於が早すぎるだけでしょ！」

「はいはい、早く行くよ」

今日はオフだったらしい隼を誘って

寒い中行きつけの店に向かう途中

隼「聞いたよ、亜嵐くんから」

「なにを？…ってもしかしてAちゃんの？」

隼「そうそう、Aちゃんの」

「…まじかよ、あのハゲリーダー」

隼「先輩の彼女は厳しいな、」

「…正確には浮気相手な」

隼「でもよかったね、気づくの早くて」

もう少し遅かったら好きになってたかもじゃん？

ってけらけら笑う隼

…いや、ほんとそうだよな

あとちょっと遅かったら完全に好きになってた

隼「てか俺昨日…あ、」

「ん？…あ」

俺らが見たものは、俺が今一番見たくないもので

楽しそうに笑ってる臣さんと、美人な女の人

…前に一回見たことある、確か本命の彼女

隼「…うわ、見ちゃったよ、」

「…気分わりい」

隼「いい人なんだけどなー、臣さん」

「…女遊びさえしなければな」

隼「ほら、早く飯食い行こ」

隼がべらべら喋ってる時もずっとさっきの事考えてて

さっきまで事務所でAちゃんといたのに

同じ日に彼女とも浮気相手とも会ってて

よくばれねえな、って

隼「玲於聞いてる？」

「…聞いてる」

こんな会話ばっかするくらい上の空って感じで

考えれば考えるほど思う

浮気相手なんて可哀想だ、って

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