狂 愛

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臣side




いつものようにハナからかかってくる電話も

どんどん溜まってくハナからのラインの通知も

全部見る気になれなくて

なぜか頭に浮かぶのはAの顔




俺が浮気してるって知ってどう思った？

俺のこと嫌いになった？

呆れた？




いろんな事が頭によぎって

もう寝て忘れようかな、そう思った時

また電話がなって、ハナかな、なんて思ってたけど

画面に表示されたのは 岩田剛典 の文字






岩「…え？」


「…いや、だから、あいつとは別れる」


岩「もうAちゃん捨てるんだ、」


「…いや、ハナと別れようと思ってる」


岩「…え、ハナさんと？」


「うん、Aじゃなくてハナと」


岩「めちゃくちゃ急じゃないっすか、」


「会っちゃってさ、Aとハナ」





犬みたいな顔して狼みたいな声で叫ぶ岩田

まじっすか？なんで？え？の繰り返し





岩「…臣さんが悪いでしょ」


「わかってる、だからやめんじゃん、今更だけど」


岩「Aちゃんも浮気してたりしてね」


「…ちょ、なに言ってんだよ」


岩「…いや、もし浮気してたとしても臣さん何も言えないですからね」





多分冗談のつもりで言ったんだろうけど

浮気、って言葉を聞いた途端に玲於が頭に浮かんだ

この前玲於の話した時明らかにおかしかったし

頻繁にラインしてるっぽいし





「…玲於って彼女いんの？」


岩「いま絶賛片想い中なんです、って言ってたけど…」


「…絶賛片想い中、か」


岩「でもどう頑張っても叶わないって言ってましたよ」





この言葉を聞いて確信した

玲於はAのことが好きで、俺が浮気してたのも知ってる

だから可哀想に思ってAに近づいた？



Aの家に行った時に置いてあった２つの箸も

２つの茶碗、コップ、明らかに男物の靴も全部

玲於のものだったりして





「…岩ちゃん、それ多分Aの事だと思う」


岩「…え？」


「多分玲於とA、付き合ってる」


岩「…いやいやいや、玲於がそんなこと、」


「証拠とかそんなんある訳じゃないけど、付き合ってる」


岩「玲於と？Aちゃんが？」





今も玲於と会ってんのかなとか考えたら

どうしようもなく腹が立って

自分も同じことしてAの事傷つけてたのに

ありえないほど腹が立った



ふたりが会ってるなんて証拠も

付き合ってるなんて証拠も

どこにもないのに



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