狂 愛

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Aside




朝、臣くんからの電話で目が覚めて

事務所まで迎えに来てよ、そう言われて急いで準備した




どっかお出かけしようって言ってくれのかな？

ご飯食べようって言ってくれるのかな？




昨日の事なんてすっ飛ぶくらい嬉しくて

ハナさんもこの前の女の人も、どうでもよくなっちゃう





「臣くん！」


臣「…あ、ごめんな昨日」





そう言ってポンポンって頭、撫でてくれて

ネイル変えた？とか

その靴かわいいじゃん、とか

会うたびいつも褒めてくれる



こんな時、いつも思う

幸せだなあって



芸能人と付き合うってこうゆう事なんだろうな

浮気とか不倫とか、当たり前にある事で

少しくらい我慢しないといけないもの

そうゆうふうに思えてきて

でも実際浮気現場とか見ちゃうと、ダメなんだけどね





臣「お疲れー、よく会うな最近」





臣くんのその声にふと顔をあげると

私の事を昨日助けてくれた玲於くんがいて

玲於くんの顔を見た途端に思い出した




事務所ではあくまで顔見知り程度で。

佐野さん、Aちゃんって呼び合う事。





「…佐野さん」


玲「…ん、あ、Aちゃん」


臣「…あ、お前ら知り合いなんだっけ？」


玲「…そうなんすよ、知り合いって程じゃないですけど」


「…うん、顔見知り…くらいかな」





知り合いって程じゃない、そう言われた時

正直結構傷ついたし、なんか嫌だった



顔見知りくらいかなって自分で言った時も

自分で言ったくせに、自分で傷ついちゃって

なんか馬鹿みたい



臣くんに手、引っ張られて行くよって言われて

玲於くんと白濱さんの前を通るとき、玲於くんと目があった



だけど、お互いすぐ逸らして

まるで他人同士みたいな顔してすれ違った



痛い、胸がぎゅって締めつけられて、痛い

なんで、大好きな人と一緒にいるのに



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