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でこチューは割と彼との関わりの中では頻繁にあることだ。スキンシップ過多だとは思うが別に嫌ではないし、前に誰かが「額へのキスは友愛の証」とも言っていたのでつまりはそういうことなのだろう。
特に気にしてないよ、と言うと彼女は「キャンベルも報われないわねえ」なんて言っていたけれどおそらく彼はそこまで考えてない。なぜ分かるって?彼の表情と行動を見れば分かるだろう。何も考えていなさそうな顔をしているし、何を考えてんだかわからない行動を起こす。飽きないといえば飽きないが、突飛なことをするので心臓に悪いことは多々。
ぽわぽわとしている彼はきっとゲームに参加しに行ったのだろう。あのぽわぽわでハンターに粘着してチェイスまでこなしていくのだからギャップがすごい。人は見た目によらないものだ。
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私は今日試合もなく暇だったので、談話室で本でも読もうと棚を眺めているとその扉が開き朝見た姿が私の方に駆け寄ってきた。
「Aさ〜ん」
「お疲れ様。もう試合終わったの?」
「終わったよ。あのね、聞いて。僕今日ベスト演繹だったんだ」
「すごいじゃない!おめでとう」
「もっと褒めて」
もっと褒めて…?褒めて褒めてとそれはもう大型犬のように肩に顔をぐりぐりと埋める彼には尻尾が見えそうだ。ここまであからさまに懐かれると私も存分に可愛がりたくなる。
よしよしと帽子を外している彼の頭を撫でると、それに呼応するかのように腰と背中に回された腕に力が入り思わず苦笑する。当初会った時はこんなにも甘えただなんて知らなかった。
彼の髪の毛はふわふわとしていて触り心地がとてもいい。その感触を楽しんでいると今度は何故か私の頭を撫でられる。…別に私にはしなくていいのに。
「どうしたの?」
「いつも褒めてくれるAさんを褒めてる」
「ふふ、ありがとう」
ヨシヨシとお互いを撫でるなんとも珍妙な光景だが、お互いが幸せならなんでもいいだろう。少し経つとまた彼は満足したようで額にキスを落としてどこかへと去っていった。さて、本を探しに戻るかな。
その日の夜、自室のベッドで談話室で借りた本を読んでいると控えめにドアがノックされた。こんな夜に誰だろうと思いつつこの荘園に危険な人などいないため返事を返す。すると外から泣きそうな声のよく知った声が。
急いで扉を開けるとそこには泣いてはいないがとてつもなく暗い表情のノートンの姿があった。
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暁郗 - せんぱいナワーブ最ッッ高でした。もっとああいうの出して欲しいです、性癖にストライクしました。 (2021年5月3日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 好きやぁ( ˘ω˘ ) (2020年4月8日 20時) (レス) id: 7d1a9cae04 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - ここさん» コメントありがとうございます!月相イライくんのお話ですかね、、!?ずーっと温め続けてきたお話ですので気に入って頂けたようで私も嬉しいです!応援もありがとうございます!なんとか乗り切りました!笑リクエストもぜひ!いつでもお待ちしております(´∀`) (2020年2月23日 4時) (レス) id: d10d29f4b8 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - かのはさん» コメントありがとうございます!!友人以上恋人未満のお話が大好きなのです、、笑 お楽しみいただけたようでよかったです!応援もありがとうございます!頑張りすのでこれからもよろしくお願いします! (2020年2月23日 4時) (レス) id: d10d29f4b8 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 最新話もめちゃめちゃ好きでした!!前から全部好きです…試験などなど頑張ってください(´;ω;`)くれぐれも無理のないよう…(´;ω;`)!リクエストしたいんですが、伝える語彙力がなく…!!!語彙力育ててから出直してきます…!! (2020年2月13日 4時) (レス) id: 9ad3d16544 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フルリ | 作成日時:2019年10月14日 10時