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しかしこれで寝坊なんてしていられない。「ノートンおきて」と言いながら腕から抜け出そうともがくと「んんん…!」と酷く煩わしそうな声を出して彼は私のことを抱いていた腕にぎゅうううと力を入れた。いや待って元炭鉱夫の力ヤバいって私潰れる骨折れるって!!!
「いたたたたたたたたた」
「んん...うるさい......」
「いやうるさいって...」
起きろバカ、と腹に一発いれるとさすがにこれは効いたみたいで「ぐぅ...」と唸り声を出してうずくまった。...うずくまられると私の体もそれに引き寄せられて結構今無理な姿勢になっているんだけど。
「ほんとに痛いってノートン、もう起きて、朝!」
「.........Aさん?」
「そうよ。まさか、昨日私の部屋に来たこと覚えてないの?」
そう聞くと彼は私の頭にぐりぐりと顎を押し付けながら「ん〜...」と言う。...これは覚えてないのかな。
まあ覚えていようが覚えてなかろうがこんなことはもうこれきりだ。そう思っていると昨夜のように視界が急に天井を向いた。...違うのは目線の先に彼がいるということ。
「...何の冗談?」
「......ふふ、本当にAさんだ...」
そう言うとこれは私の額にキスを落として「おはよう」とそのまま私に倒れ込む。どこのジェントルメンだと言いたくなるが曲がりなりにも英国紳士だ。これくらいは普通なのだろう。
ぐえ、と言いつつこんな巨体に押しつぶされたらひとたまりもないのだろうにどこかで支えているらしくそこまで苦しくはない。圧迫感はあるけど。
「こんなによく眠れたの初めて...Aさんのお陰かな…」
「そう、良かった」
「試合でもAさんが褒めてくれるから頑張れるし」
突然脈絡のない話をされて、え?と戸惑う。まあ確かに可愛いから褒めてたりはしていたけど。
若干混乱する私を気にせず彼は言葉を続ける。
「ご飯もあんまり味しないから美味しくはないけどAさんが美味しそうに食べてるから僕も食べたくなるし」
「…え、あ...そうなんだ...」
「生きるの面倒だけどAさんと一緒にいたいから生きてるようなものだし」
「...え?なんて?」
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暁郗 - せんぱいナワーブ最ッッ高でした。もっとああいうの出して欲しいです、性癖にストライクしました。 (2021年5月3日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 好きやぁ( ˘ω˘ ) (2020年4月8日 20時) (レス) id: 7d1a9cae04 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - ここさん» コメントありがとうございます!月相イライくんのお話ですかね、、!?ずーっと温め続けてきたお話ですので気に入って頂けたようで私も嬉しいです!応援もありがとうございます!なんとか乗り切りました!笑リクエストもぜひ!いつでもお待ちしております(´∀`) (2020年2月23日 4時) (レス) id: d10d29f4b8 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - かのはさん» コメントありがとうございます!!友人以上恋人未満のお話が大好きなのです、、笑 お楽しみいただけたようでよかったです!応援もありがとうございます!頑張りすのでこれからもよろしくお願いします! (2020年2月23日 4時) (レス) id: d10d29f4b8 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 最新話もめちゃめちゃ好きでした!!前から全部好きです…試験などなど頑張ってください(´;ω;`)くれぐれも無理のないよう…(´;ω;`)!リクエストしたいんですが、伝える語彙力がなく…!!!語彙力育ててから出直してきます…!! (2020年2月13日 4時) (レス) id: 9ad3d16544 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フルリ | 作成日時:2019年10月14日 10時