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「おい狼谷!お前だけなに美味しい思いしてるんだよ!」
「俺たちにもその幸せ分けろ!羨ましい!」
「うるせえ、俺に野球で勝ってから言え」
「無理じゃん!!!」
彼の姿をポーッと見つめた後、からかわれる、とハッとしながら兎田さん達がいる方に向かった。
すると未だニヤニヤとしている兎田さんに「ごめん、お邪魔しちゃった?」と分かりきっていることを言われる。私はそれに顔を赤くしながらも「全然ウェルカムでしたけど?」と強がった。どこがウェルカムだあと一歩遅かったら確実にその現場を見られていただろう。
一方その頃、ここぞとばかりに彼を弄る元クラスメイトにキレる狼谷。
「狼谷〜?まさかあれ、噂の彼女さん?」
「嘘だろ…美人じゃねえか…」
「…」
「もしかして歳上?歳上なの?どうやって知り合ったの?」
「うるせえ」
「ってかお前ー!キス…」
そこまで言いかけたところで無言をバットを構え出した狼谷に「スイマセンでしたァッ!!」と謝る面々。するとそこに現役高校生チームが「狼谷先輩!アドバイスお願いします!」と駆け寄る。こっちにも人気かよ、と元クラスメイトはぎりりとイケメンとハイスペックの壁に歯をくいしばるしかできなかった。
▽△
「今日は一日ありがとうございました!」
「いいえ〜、また手伝いに来てね。よかったら隼も一緒に」
「それ絶対からかうのが目的じゃないですか…」
一日が終わり彼らにお礼を言うと、快くまた受け入れてくれるという。子供達も口々にさようならやまたね、と言う言葉が聞こえ、それに嬉しさを感じつつまた来ます、と答えた。
正門で隼くんを待っていると、がやがやと騒がしくなりそちらを見ると、OBチームに囲まれた彼の姿。彼らは私の姿を認めると隼くんを押し出してニヤニヤとし、それを忌々しそうにチッと舌打ちをした彼は「悪い、待たせた」と言いつつ腕をパシリと掴み私を引っ張った。
「わ、わわ」
「…」
チームメイトたちにお辞儀はして来たが、色々と話さなくてもいいのだろうか。もう少しでゆっくりでもよかったのに、と呟けば、話すことねえよと返された。彼らしいなあなんて笑いながら帰路に着く。…ちょっと、高校生気分。
夕方でもまだ暑い中、彼より先に行き振り返る。夕日が彼の金の瞳に入り込んで綺麗だ。
「また見に行ってもいい?」
「…好きにしろよ」
そっぽを向く隼くんに私は笑う。そんな姿も格好いい彼に、私は背伸びをしてさっきの続きをした。ああ、暑いなあ。
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フルリ(プロフ) - amyさん» コメントありがとうございます。こちらこそ、長い間付き合って頂きありがとうございました!続編も、書かせて頂きますので、今後もぜひよろしくお願い致します…(//∇//)! (2018年5月15日 13時) (レス) id: b6276197f5 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - 三崎さん» コメントありがとうございます!少しでもこの作品が心に触れることが出来たのならこれ以上の嬉しいことはありません。続編のお声、ありがとうございます!ぜひ続けさせて頂きますので、どうぞまた、よろしくお願い致します…! (2018年5月15日 13時) (レス) id: b6276197f5 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - (´・ω・`)モカエルさん» コメントありがとうございます!是非、作らせて頂きますので続編もどうぞ、よろしくお願い致します! (2018年5月15日 13時) (レス) id: b6276197f5 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - 晴耕雨読さん» コメントありがとうございます。大好きと言って頂けてとても嬉しいです…!そして、リクエストと続編希望のお声ありがとうございます!もう暫く時間はかかりますが、作らせて頂くことにしました…!どうぞ、続編もよろしくお願い致します(//∇//) (2018年5月15日 13時) (レス) id: b6276197f5 (このIDを非表示/違反報告)
amy(プロフ) - ここまでお疲れ様でした!いつも更新を楽しみにしていました。大好きな作品が今後も続くことを祈っています(^-^) (2018年5月14日 21時) (レス) id: 195e3fe04b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フルリ | 作成日時:2018年4月2日 1時