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女子大や男子の少ない専門に行った女子は男子に飢え、普通の大学に進んだ女子も思っていた以上にいないイケメンに飢えていた。高校時代あんな希少なイケメンが近くにいたなんて…高校時代を思い出しては涙ぐんだ。
狼谷はそんな面々を気にせず、嘘川も無視してまた肉を口に運ぶ。そんな姿も彼女たちには格好良く見えるのだからもうどうしようもない。
「因みに俺には出来てない!なんでだ」
「嘘川のは知ってた」
「嘘川のは分かってた」
「なんでだよ!」
話がズレたことに危機感を覚える女子達。頑張れ、といつになく嘘川を応援する。するとその願いを聞き届けたかのように嘘川が話を修正した…その内容は、大きく衝撃を与えることになったが。
「Aさんだっけ?なー写真とかねーの?」
「…………なんで名前知ってんだよ」
その言葉は、彼女がいるということを肯定する言葉で、ざわめきがクラスの中に広がった。
____えっマジでいるの?
____あの狼谷に彼女!?
____あんなに女に興味なかった狼谷くんに!?
そして全員で思う一つのこと。
____一体どんな人!?
「オイ鹿島…」
「ご、ごめん…」
ギッ、と鹿島を睨む狼谷には悪いが高校時代から知っている彼をについての探究心には勝てない。もっと話を広げてくれ、と皆は嘘川に願った。
「大人っぽいんだけど可愛いんだろ?」
「…………鹿島、お前後で覚悟しとけよ…」
「うわ、うわごめん狼谷、悪気はなかったんだって!」
「な、お願いだよ狼谷〜!高校時代からの仲だろ〜」
「そんな仲になった覚えはねぇ」
はあ、と溜息をついた狼谷は観念したかのように首を振った。ついに、来るか!?クラスの皆が身構え、彼の発する言葉を待つ。
「……で、何を言えばいいんだ?」
なんも聞いてなかったコイツ!がくーっと心の中で盛大にコケるクラスの皆を彼は相変わらずのマイペースで振り回す。また肉を食べ始めた話中の人物は、もぐもぐと知らぬ顔で肉を平らげていった。
「ぐっ、狼谷ぃ!じゃあ質問するぞ!答えろよ!」
「勝手にしろよ」
「…彼女はいますか!?」
ごくり、と唾を飲み込みその答えを待つ。狼谷はその質問をした嘘川をその切れ長の目でじっと見つめる。流石の嘘川もその整った顔に見つめられて少しだけ照れた。しかし誰も照れた嘘川なんて求めていなかったし寧ろそこの位置を代わってくれと女子たちは切に願った。
「…………いるけど」
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フルリ(プロフ) - amyさん» コメントありがとうございます。こちらこそ、長い間付き合って頂きありがとうございました!続編も、書かせて頂きますので、今後もぜひよろしくお願い致します…(//∇//)! (2018年5月15日 13時) (レス) id: b6276197f5 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - 三崎さん» コメントありがとうございます!少しでもこの作品が心に触れることが出来たのならこれ以上の嬉しいことはありません。続編のお声、ありがとうございます!ぜひ続けさせて頂きますので、どうぞまた、よろしくお願い致します…! (2018年5月15日 13時) (レス) id: b6276197f5 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - (´・ω・`)モカエルさん» コメントありがとうございます!是非、作らせて頂きますので続編もどうぞ、よろしくお願い致します! (2018年5月15日 13時) (レス) id: b6276197f5 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - 晴耕雨読さん» コメントありがとうございます。大好きと言って頂けてとても嬉しいです…!そして、リクエストと続編希望のお声ありがとうございます!もう暫く時間はかかりますが、作らせて頂くことにしました…!どうぞ、続編もよろしくお願い致します(//∇//) (2018年5月15日 13時) (レス) id: b6276197f5 (このIDを非表示/違反報告)
amy(プロフ) - ここまでお疲れ様でした!いつも更新を楽しみにしていました。大好きな作品が今後も続くことを祈っています(^-^) (2018年5月14日 21時) (レス) id: 195e3fe04b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フルリ | 作成日時:2018年4月2日 1時