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「…大丈夫だよ、隼くん。私、貴方が思ってるより隼くんのこと好きだから」
「!」
「不安になったら、ちゃんと話し合えばいいよ。私も何かあったらちゃんと隼くんに訊くから。何回でも、不安が無くなるまで」
だから笑って?そういうと彼は目を見開いて、優しく笑った。
「敵わねえな」
「歳上ですから」
ふふん、と笑うと調子に乗んなと言われてしまった。だけど首元に顔を埋める彼は相当参っていたらしい、結構彼は我慢強くて溜め込んでしまうところがあるから心配だ。
「あんまり溜め込んじゃダメだよ」
「それ、お前が言える筋じゃねーだろ」
それもそうだ。そう言って顔を見合わせて二人で笑った。穏やかな午後の時間は過ぎていく。
▽△
塾講師のバイトの日。またあのバイトさんと会った。今度食事でもどうか、と誘われたが丁重にお断りさせて頂いた。
「彼氏でもいるんですか」
「はい」
「そうなんですか…正直、残念です。きっと貴女のパートナーは歳上で格好良いんでしょうね」
「勿体無いお言葉です。…私の彼氏、格好いいのは確かですけど歳下ですよ」
「えっ」
「ふふ、とってもヤキモチ焼きなんです。…じゃあ、迎えが来てるので」
「えっ」
心配ないと言ったのだが、隼くんは「夜だし俺が迎え行ける日は行ってもいいか」と訊いてきた。彼の負担にならないなら、と私が断る理由もないのでお願いした。正直、ここ最近物騒なニュースが多く、まさかとは思うが不安だったので、正直この申し出は嬉しい。
小走りで彼の元へ行くと危ねえから走んな、と子供に言うように注意された。ちょっと!と怒ると彼は後ろの方を向いていて、ふっと笑って私の方へ向き直る。どうしたの、と問うてもまた何でもないとしか言わない。だけどこの前みたいに機嫌が悪いわけでは無く、寧ろ機嫌が良さそうなので気にしないことにした。
「A」
「ん?何?」
「…悪いな」
「へ?っ!?」
急に名前を呼ばれたと思ったら彼は屈んでいて、私と同じ目線になったかと思うと頬にキスを落とした。滅多にされない部位に何事かと頬を抑えて口を開閉する。
すると彼は「牽制、」と言って怪しく笑ったのだった。
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フルリ(プロフ) - amyさん» コメントありがとうございます。こちらこそ、長い間付き合って頂きありがとうございました!続編も、書かせて頂きますので、今後もぜひよろしくお願い致します…(//∇//)! (2018年5月15日 13時) (レス) id: b6276197f5 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - 三崎さん» コメントありがとうございます!少しでもこの作品が心に触れることが出来たのならこれ以上の嬉しいことはありません。続編のお声、ありがとうございます!ぜひ続けさせて頂きますので、どうぞまた、よろしくお願い致します…! (2018年5月15日 13時) (レス) id: b6276197f5 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - (´・ω・`)モカエルさん» コメントありがとうございます!是非、作らせて頂きますので続編もどうぞ、よろしくお願い致します! (2018年5月15日 13時) (レス) id: b6276197f5 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - 晴耕雨読さん» コメントありがとうございます。大好きと言って頂けてとても嬉しいです…!そして、リクエストと続編希望のお声ありがとうございます!もう暫く時間はかかりますが、作らせて頂くことにしました…!どうぞ、続編もよろしくお願い致します(//∇//) (2018年5月15日 13時) (レス) id: b6276197f5 (このIDを非表示/違反報告)
amy(プロフ) - ここまでお疲れ様でした!いつも更新を楽しみにしていました。大好きな作品が今後も続くことを祈っています(^-^) (2018年5月14日 21時) (レス) id: 195e3fe04b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フルリ | 作成日時:2018年4月2日 1時