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「隼くん」
「あ?」


物珍しそうにそのお土産を見つめる隼くんの名前を呼ぶ。ダメだこれ、直球勝負でいかないと気付いてくれないよ全然!だって彼全くこっち見ないんだけど!!そういう訳で呼んだはいいがなんて言えばいいか分からない。突然呼ばれた彼も何も話さない私に疑問に満ちた目線を送る。


「私今日何か変わったところないと思わない?」
「変わったところ…?」


いつもとは逆の立場になり彼にジーッと見つめられる。見つめられるってこんな感じなんだ、と心の何処かでそう思いながらその整った顔から逃げるように顔を背けた。

暫く経過したが答えが出なさそうなので痺れを切らして私から言う。口紅変えたの!と報告すると分かんねえよ…と言われてしまった。私もそう思ってた。というより、私もそもそも友人とかの化粧品変えた報告にもされなきゃ気付けないのだ。


「やけに口に目ぇつくなとは思ってたけどそれか」
「え?気付いてるじゃん」
「いや気付いてたとは言わねえだろ」
「そう?でもなんか嬉しい」


微かな変化でもなんと無くわかってくれたなら嬉しい、それは本心で。だってそれって、私のことを見てくれている証拠でしょう?今の私の顔は大変だらしなく笑っていることだろう。でも緩むものは緩むものだ、しょうがない。

ニコニコとしながら口紅の説明をしてみた。めちゃくちゃ興味なさそうに聞いていたけれど急に顔を隼くんの方に向けさせられる。つ、つまらなすぎたかな…てかなんか、近くないかい?


「な、に?」
「いや…」
「?」
「確かにまあ噛みつきたくなるな」
「はっ!?」
「…先に謝っとく。それ、取れたら悪い」


目を手で隠されて強制的に視界をシャットアウトさせられる。驚く間も無く口に彼のそれが当てられ、思わずすぐ近くにあった隼くんの服にしがみつく。最初は軽い啄ばむようなキスが続いたが、流石にそれも何回も続けられると息のしどころが分からない。一旦離れようと頭を引くと、後頭部に目元にあった手を寄せられ阻止されてしまった。し、死ぬ…!

酸素を求めて薄く口を開く。…あれ、これなんかヤバくないか?そう思ったのは涙で滲む視界で彼の瞳と交わった時。深い金の瞳は情欲に濡れ、目の前の獲物を逃さまいとしっかりと私の瞳を捉えていた。その時の彼の表情を私は一生忘れないだろう。とんでもなくえろい顔してた。そして私は文字通り彼に唇を噛みつかせてしまったのだ。

3→←噛みつくことのお話



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設定タグ:学ベビ , 狼谷隼 , 学園ベビーシッターズ   
作品ジャンル:アニメ
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フルリ(プロフ) - amyさん» コメントありがとうございます。こちらこそ、長い間付き合って頂きありがとうございました!続編も、書かせて頂きますので、今後もぜひよろしくお願い致します…(//∇//)! (2018年5月15日 13時) (レス) id: b6276197f5 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - 三崎さん» コメントありがとうございます!少しでもこの作品が心に触れることが出来たのならこれ以上の嬉しいことはありません。続編のお声、ありがとうございます!ぜひ続けさせて頂きますので、どうぞまた、よろしくお願い致します…! (2018年5月15日 13時) (レス) id: b6276197f5 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - (´・ω・`)モカエルさん» コメントありがとうございます!是非、作らせて頂きますので続編もどうぞ、よろしくお願い致します! (2018年5月15日 13時) (レス) id: b6276197f5 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - 晴耕雨読さん» コメントありがとうございます。大好きと言って頂けてとても嬉しいです…!そして、リクエストと続編希望のお声ありがとうございます!もう暫く時間はかかりますが、作らせて頂くことにしました…!どうぞ、続編もよろしくお願い致します(//∇//) (2018年5月15日 13時) (レス) id: b6276197f5 (このIDを非表示/違反報告)
amy(プロフ) - ここまでお疲れ様でした!いつも更新を楽しみにしていました。大好きな作品が今後も続くことを祈っています(^-^) (2018年5月14日 21時) (レス) id: 195e3fe04b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フルリ | 作成日時:2018年4月2日 1時

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