無表情だけど感情あります【白鳥沢】 (ページ23)

今日:6 hit、昨日:10 hit、合計:26,732 hit

22話ページ23

「…まあ、おかげで計算用紙には困ってませんね」

気付いていないわけがないだろう、毎日開けるのだから。
なんとも思っていない、それがわかるように嫌味っぽく言った。

そこに居たのは、例の2年生をいじ/めていた3人、と、いじ/められていたあのひと。

彼女たちも文化祭の準備をしていたのか、私と同じように大きなゴミ袋を持っている。

ああ、もしかして、あれかな？

いじ/めるのやめてあげる代わりにあんたもやれよ、的な？

むかしそんな漫画を読んだことがある気がする。

それなら下駄箱に紙を入れていたことだって頷ける。

女子4人に囲まれ、壁に追いやられるこの図

体育館の中から、ボールの音や掛け声が聞こえてきて冷静になる。

今まではノートを破ったり、落書きしたり、間接的なことしかしてこなかったクセに。

周りに誰かがいる。

それだけで、突然自分たちが偉くなったかのように錯覚する。

…くだらない

私に向かって、調子にのるな、やら、ふざけるななどを言っているこの人たちは何が楽しくて私に突っかかっているの…？

「ちょっと！聞いてんの！？」

真ん中にいた女子の甲高い声が聞こえた瞬間、私にゴミをぶちまけた。