17話 ページ18
「どうしてここに…」
私が今いる場所は男子バレー部の部室。
もう一度言う、"男子"バレー部の部室！
大きな部室に座って勉強をしているバレー部の方々。
「ごめん、俺ひとりじゃ手に負えなくて…」
戸惑っている私に気付いて白布さんに声をかけられる。
「それはいいんですけど、どうして私が…」
五色とはクラスが同じわけでもなく、たった数回話しただけだ。
「俺のクラス、スポーツ推薦クラスだから勉強得意な人あんまいなくって…
一般クラスの知り合い清原しかいなくってさ！」
そういうことか。
白鳥沢はかなり部活が強い。
スポーツ推薦の人は推薦組でクラスを固められる。
それに対して私は一般入試
ここは割と偏差値も高いから一般入試組は頭がいい、と思われている。
テストで赤点を取ると補習がある。
強豪の部活で補習、なんてあの怖い監督に怒られるんだろうな…
そしてテストは1週間後
強豪といっても学生の本分は勉強。
1週間前はどの部活も休みになると聞いたことがある。
私は帰宅部だから関係ないけど。
「わかった」
靴を脱いで部室にあがる。
自分の問題集も解きながら、聞かれたところを教えていく。
でも、五色の出来は思っていたよりも悪く、私はまだ1ページも終わっていない。
そんな時、五色が声を発した。
「あの…清原のクラスにいる轟(トドロキ)さんってどんなひと？」
私のクラスにいる轟は1人だけ
轟 憂(トドロキ ユウ)のことだろうか。
小柄でドールフェイスにアニメ声
まるで漫画の世界から飛び出してきたような女の子で私のいつメンのひとりである。
「え、憂のこと好きなの？」
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作者名：プリン猫 | 作成日時：2020年4月20日 0時
