検索窓
今日:12 hit、昨日:9 hit、合計:109,266 hit

5、女ってそうじゃん ページ6

Aside




それから1週間、わたしは。国見の誘いによって毎日バレー部のレギュラーメンバーとお昼を食べていた。


どうして?
と聞かれても断る理由がないから、としか言いようがない。




ご飯を食べ終えるとすぐにバレーをしだすみんなを横目にお弁当を食べる。

と、横にいる国見が話しかけてきた。




「お前、いっつも俺らと飯食ってるけど、友達いいの?」

友達いいの?の意味がよくわからない。

一緒に食べなくていいの?かな。
誘わなくていいの?かな。

よく分からないけど…




『別にいいよ
友達だからってご飯一緒に食べなきゃいけない、なんてルールないし』


国見はバレーをしている先輩たちを見ながら

「女って便所とか絶対ひとりで行かねえじゃん、まあ確かに、ルールなんてないわな」


『よわいんだよ、きっとそういう人たちは。

ひとりでおトイレにもいけない、ひとりで移動教室もできない。

だからグループを作って固まる、そのグループで行動する、それが当たり前になる。

グループに所属しない人ははみ出しもの。』


「でも、お前はなんか…うまくやってる」

確かにわたしは特にどのグループにも入っていない。
少し躊躇いがちな国見の口調に笑ってしまった。

『フフ、そうだね。上手くやってるよ、きっと。
まあ、どうせ高校3年間だけの仲だし。
深入りするつもりもない』



"ともだち"とか、めんどくさいもん。

一緒にカラオケに行かなきゃいけない。
面倒な頼まれごとでも断っちゃいけない。
掃除当番を押し付けられる。

そんな子を、嫌というほど見てきたんだ。




『国見にだけ言うけど…………


部活とか入っちゃうとさ、熱くなっちゃうじゃん?
思い出とか、できちゃうじゃん?』

コクリ

国見は黙って頷く。


『それに、チームとか仲間とかそういうの


わたしにはちょっと___重すぎて背負えない』




薄情なわけじゃないよ、別に。

やるって決めたらやるし。

でもそれをやるにはそれなりの努力と責任が必要。
勧誘をされるほど怪我の治療が得意な訳では無い。
バレーに詳しい訳でもない。



みんながいう、"かっこいい"に部類する及川さんをかっこいいと言わなかった。

ただそれだけのこと。




『ここに来るからいけないのかな………』

「?」

『申し訳ないけど、私に過度な期待はしないでね』

6、破裂音→←4、言えなかった言葉



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (152 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
177人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みどり(プロフ) - mikeさん» ありがとうございます! (2020年4月19日 11時) (レス) id: b6bd16b409 (このIDを非表示/違反報告)
みどり(プロフ) - アーヤさん» ありがとうございます!私も一瞬どうかなーって思いました笑 (2020年4月19日 11時) (レス) id: b6bd16b409 (このIDを非表示/違反報告)
mike - 国見くんのTシャツを取り返した時はハラハラしました!最後のダッシュにはびっくりしました!面白い作品をありがとうございます (2020年4月18日 21時) (レス) id: 637a950f3e (このIDを非表示/違反報告)
アーヤ - 最後の告白あっさりしすぎてなんか笑っちゃっいました。面白かったです(* >ω<) (2020年4月18日 20時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:プリン猫 | 作成日時:2020年4月7日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。