4、言えなかった言葉 ページ5
国見side
烏野との練習試合の日だった。
試合のあと練習をして部室で着替えているとすごい勢いで扉が開いた。
「聞いて!」
と大きな声で我らが主将、及川さんが叫ぶ。
走ってきたのか、少し息が切れている。
金田一が扉を閉めた瞬間、
「俺にときめく女の心が理解できないって言われた!」
シーン
なんだ、そんなことか。それなら俺も思ってるぞ。
しょーもな、と着替え始めた俺らは及川さんの言葉に衝撃を受けた
「女の子に!」
及川さんはその子をマネージャーにしたい!と言い張った。
正直、俺は仕事をしてくれるなら誰でもいい。
どんなゴリラ女だって構わない。
後日、「あっ、あのこ!」と及川さんが指を指したのは俺の前の席のやつだった。
普通に了承されるだろうと思っていたマネージャー勧誘は
『しない』とたったの3文字で断たれてしまった。
及川さんの名前を出しても顔色ひとつ変えない、
やらない、と言いつつも理由を律儀に聞いてくる。
マネージャー、俺もこいつがいい。
とりあえず先輩たちに紹介しようと思って体育館まで連れてきた。
『私的で中途半端な気持ちでやられたら一溜りもないですよね』
「!」
と、俺らが思っても口に出さなかったことを軽々言ってのける。
そして気付いたらバレー部に溶け込んでいる。
思えば、無愛想で生返事しかしなかった俺にも話しかけてくれたな、物好きか?
と、思っているところにこの言葉
『人を見て、かわいい、とかかっこいい、とか思ったことない。
人の顔なんて、みんな目が2つあって鼻があって口がある
二重幅だとか、鼻の高さだとか、そんなもので人の印象を決めてしまうのはあまりにもつまらない』
いままで、たくさんの女を見てきた。
中学の時からずっと。
及川さんに寄っていく女はみんな同じようなキツい香水で、俺らの練習の邪魔になった。
直接妨害はしてこなかったものの、存在自体が邪魔だった。
こんな女___初めて見た。
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みどり(プロフ) - mikeさん» ありがとうございます! (2020年4月19日 11時) (レス) id: b6bd16b409 (このIDを非表示/違反報告)
みどり(プロフ) - アーヤさん» ありがとうございます!私も一瞬どうかなーって思いました笑 (2020年4月19日 11時) (レス) id: b6bd16b409 (このIDを非表示/違反報告)
mike - 国見くんのTシャツを取り返した時はハラハラしました!最後のダッシュにはびっくりしました!面白い作品をありがとうございます (2020年4月18日 21時) (レス) id: 637a950f3e (このIDを非表示/違反報告)
アーヤ - 最後の告白あっさりしすぎてなんか笑っちゃっいました。面白かったです(* >ω<) (2020年4月18日 20時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:プリン猫 | 作成日時:2020年4月7日 1時