16、小走りで ページ17
放課後、わたしは歩いて下校していた。
学校を出る際に聞こえたボールの音と黄色い歓声がなんだか懐かしくなって小走りで学校から出た。
ある公園の前で立ち止まった。
特別大きくもない普通の公園。
右側には少し錆の付いたブランコ、鎖の部分が異様にねじれていて普段あるべきの高さではないところに座る部分がある。
中心には少し大きめのジャングルジム。
その裏にはペンキのはげたベンチがある。
奥に入ると自販機があって、その隣には鉄棒がある。
なんの変哲もない、普通の公園だ。
でも、ここには思い出がある。
歩き出した途端、聞き覚えのある声が聞こえた。
「春日さん…?」
振り返ると、中学時代、同じクラスだった
立山 瑠花(タテヤマ ルカ)がいた。
中学の頃と変わらない明るい髪色。
ボタンが空いたブラウスに、ゴムの部分がゆるゆるのリボン。
カーディガンからは短いスカートの裾が見える。
スクバには大きなぬいぐるみのようなストラップがたくさんついている。
フッと、過去のことが頭によぎる。
この人さえいなければ、あの子はまだ、私の隣にいたのかもしれない。
嫌な、思い出。
心にしまっていたこと。
友達が、わからなくなったあのこと。
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みどり(プロフ) - mikeさん» ありがとうございます! (2020年4月19日 11時) (レス) id: b6bd16b409 (このIDを非表示/違反報告)
みどり(プロフ) - アーヤさん» ありがとうございます!私も一瞬どうかなーって思いました笑 (2020年4月19日 11時) (レス) id: b6bd16b409 (このIDを非表示/違反報告)
mike - 国見くんのTシャツを取り返した時はハラハラしました!最後のダッシュにはびっくりしました!面白い作品をありがとうございます (2020年4月18日 21時) (レス) id: 637a950f3e (このIDを非表示/違反報告)
アーヤ - 最後の告白あっさりしすぎてなんか笑っちゃっいました。面白かったです(* >ω<) (2020年4月18日 20時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:プリン猫 | 作成日時:2020年4月7日 1時