テヒョンとジミン ページ1
【Taehyung Side】
「あ！A〜！遅いよ〜！」
『ジミナ！テヒョナ！お待たせ』
「ぼくの隣座りなよ、A」
「ちょっと！抜け駆けは禁止でしょ」
「なんのこと？ほら、おいでA」
そういってAの手を引き、自分の隣に座らせたジミナ。俺だって隣にAに来て欲しかったのに、いつもいつもちゃっかりとジミナはズルい。
「テヒョナ〜そんな拗ねんなよ」
「拗ねてないし」
『拗ねてるの？テヒョナ』
「拗ねてないってば！」
Aのクリクリとした可愛らしい瞳が俺を見る。態とらしくムスッと膨らました頬に、キョトンとしている君に俺の気持ちは届いていない。Aの隣で微かに肩を揺らして笑いを堪えているジミンがなんとも憎らしい。
「ていうか、今日ってなんの会？」
「 そうだ！俺ね、Aに渡したいものあるんだ」
『そうなの？なんだろ、楽しみだなあ』
俺たちはいま明洞の個室があるカフェにいる。そう、Aを呼んだのは俺で、会えることになったのが嬉しくてジミンにその事を話すと、僕もついていくと付いてきたおじゃま虫。ベラベラと話した俺も悪いけど、折角Aと２人きりになれると思ったのになあ。
「じゃーん！これAにあげる！」
『開けていい？』
「うん！開けて開けて！」
「なに〜？見せてA」
「ジミナは見なくていーの！」
「…ケチ」
「うるさい」
俺があげたかったもの。君に似合うと思って見つけた瞬間手に取った。君に会う口実なのは秘密。少しでもAを俺で満たしたいんだ。
「それピアス？テヒョナが選んだの？」
「そう、Aのためにね」
「…ふーん、そうなんだ」
Aが開けた包の中にシンプルだけど可愛らしいピアスが２つ。横から覗き込んだジミンが頬杖をつく。きっとなにか思ってるだろうけど知らんぷりする。
『すごい可愛い！テヒョナ〜ありがとう！』
「嬉しい？A嬉しい？？」
『うん！すごい嬉しい！大切にするね』
見て見てとジミンにピアスを自慢する君に、胸がきゅーっと締め付けられる。ジミナ悪いけど、今回は俺の勝ち。つまんなそうに視線を外に移した友人に俺は口角をそっと上げた。
Taehyung ＋ Jimin =
「どっちが勝っても恨みっこなし」
(俺もお前も、君が欲しい)
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作者名：ろぼっとぱんち | 作成日時：2018年4月22日 20時
