さいしょのはなし。 ページ2
【You Side】
窓から柔らかな光が差し込む。同時にチチチと聞こえた小鳥の声。こんな穏やかな朝は幾日ぶりだろうか。モゾモゾと布団から手を出しスマートフォンの画面を見れば、大親友くんAから「俺のティザー見た?」とのコメントと共に大量のスタンプが送られてきていた。それが別に嫌な訳ではない。後で確認してから返事を返そうと、スマートフォンを部屋着のポケットに入れてようやく起き上がり部屋を出た。
「Aヌナ〜!おはよう」
「おはよう、ミンギュ。わたしも手伝うよ」
リビングに続く扉を引けば、食欲を刺激する美味しそうな匂いがする。顔を覗かせればテレビを見ながら優雅に珈琲を飲んでいるジョシュアにジュンにボノニ。頭を抱えながらボーッとしているジフニはきっと徹夜明け。
フライパン片手に八重歯を覗かせるミンギュはさながら主夫が出来上がっている。14人分の朝ごはんを作るのは、とてもじゃないけど骨が折れるため手伝いを申し出ればもう殆ど終わっていた様で「ヌナは座ってて」と珈琲まで出してくれた。わたしミンギュと結婚したいかも。なんて感動してると背中にグッと重たいものが寄りかけられる。
「ちょっと〜、ハニ重たいからどいて」
「俺のチャギは朝から冷たいなあ」
バニラの様な甘い香りにかけられた圧の犯人はすぐ分かった。手でシッシと追い払ってみても、ニヤニヤと口角を上げたジョンハンはわざとらしく泣き真似をしてみせる。誰が誰のチャギなのと心の中でツッコミを入れつつ、ハニの後ろの影に視線が止まった。
「スンチョラおはよう〜」
少し眠たそうにしているスンチョルに声をかければ、んと短い返事と共に髪をくしゃくしゃと撫でられる。ジョンハンに至ってはもうわたしを弄ることに飽きたのかジョシュアたちと一緒にテレビを見て、ゲラゲラと笑っていた。朝から元気なグループのチョンサニムは、そういう所が愛しくもある。
「Aヌナ!聞いてください!ホシヒョンが!!」
「ヤー!ヌナに言うのズルいぞ!スングァナ」
「…スニョンもスングァンもうるさい」
バタバタと大きな音を立ててリビングに顔を出したスングァナと、それを追ってきたスニョナ。2人とも声のボリュームが通常時と変わらないものだから、睡眠時間を取っていないジフナはギロりと睨むようにしてため息をついた。はははと苦笑いを浮かべながら、わたしは2人に向き合った。
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もも(プロフ) - とても面白いです!他のメンバーのお話などは書かれないのですか?ぜひ書いて欲しいです! (2018年12月28日 19時) (レス) id: b873ccb9fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろぼっとぱんち | 作成日時:2018年2月24日 1時