【ONE PIECE】必要とされるには勇気がいる【ゾロ】 (ページ9)

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53話ページ9

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ホーディは覇王色を知らないのかもしれない。
戦う手段が鋭利な攻撃だからこそルフィさんに通じるのであって、シンプルな打撃なら詰んでた可能性の方が高い。そこはある意味生まれに感謝した方が良い点だろう。

ホーディの撃水も元七武海ジンベエさんが弾き返し、しらほしさんを狙う砲撃部隊もブルックさんが無力化した。悪魔の実をとても使いこなしているあたり、やはり年季と実への理解が段違いだ。

ゾロくんもサンジくんもロビンも、みんな各々の能力や特技を活かして戦っている。隠密向きな私はこういう真正面からの戦いはとても苦手だが、逃げてられない。

「女だ！！ガタガタ震えて、かわいそうに……！」

「こんなとこに来ちまった自分を恨むんだなァ！」

「失礼な、人には向き不向きがあるんです！」

振り下ろされた剣をかわし、後退。地面に落ちていた鉄パイプを拾って構えた。

「そんな棒で、防げるわけねェだろ！！」

「Aッ！！」

何処からか聞こえた、ゾロくんの叫びに引き攣った笑みで返事をする。正直全方位から敵意やら悪意やらが刺さって、今にもぶっ倒れそうだけど。

_______『いいか、A。はっきり言って、お前真正面からの戦闘は向いてねェ』

_______『ウ"ッ……！』

_______『で、考えたんだ。どの方面ならマシなのかって』

焦る脳の中で、何とか教えてくれたことを思い出す。

「本当、感謝してもしきれない……！」

_______『攻撃を"受け止めるな"。受け流せ(、、、、)』

真上から真っ直ぐ振り下ろされる剣から目を離さずに、両手で持った鉄パイプを十時に交差させる。剣同士ならそのまま押し合いに入るのだろうが、得策じゃない。

そのまま持ち手側を持ち上げ、相手の刃を外側へと滑らせて_______落とす！！

「加流(かりゅう)・〝泡流(あわなが)れ〟」

刃を流しきった直後に横から剣を叩き、手から弾き飛ばした。

目を見開く敵の魚人。次の瞬間腕が生えて見事なクラッチをされていたので、近くにいたロビンに笑顔を向ける。

「_____できた！！」

「フフ、修行のおかげね」

「うん！」

あくまで受け流すものなので、決定打には欠ける。
だが、元より向いていない私が対人対策方法を持っただけでも大進歩だし、師となってくれた彼_______サボのお墨付き。

_______『弟を頼む』

彼も一緒に考えてくれた技術で、守ることは難しいかもしれないけれど。少なくとも、戦線に立てるだけで嬉しいのだ。