52話 ページ8
，
「お前らは本当にこの島を滅ぼす気なのか！？」
「なぜ竜宮城を占拠した！？」
「人魚達を誘拐したのは、お前達なのか！？」
「答えてくれ！！お前達は魚人島の敵なのか！？味方なのか！！？」
「敵か……味方か？……そんな事_______お前らが！！！勝手に決めろォ！！！！」
わああああ！！！
地響きのような歓声。周囲には大量の魚人とボロボロの海賊達。目の前には髪が白くなったホーディと部下達。その視線の先、ど真ん中に立つ現在。
端的に言おう。
「(こ゛わ゛い゛！！！！)」
「アンタ……大丈夫？」
ゾロくんの後ろで震える私へのナミさんの呆れたような言葉に、全力で首を振って訴える。
確かに！二年前よりずっとマシだけれど！！こんな大多数の相手なんて想定してないよォ！！！
「王を一旦奪い返せたくらいで、図にのるな！！
人間のォ………！海賊風情が！！！」
「ナミさーん！Aちゃーん！
おれがあのバカ共と麗しきAちゃんを助けたんだよ！！ホレた？？♡」
「バーーカ、おれ達は自力で出口まで来てたろ」
「それはおれがたすけてやったからだ、お前達っ！！」
全身しましま模様の敵の叫びも無視して話し出す彼らの心臓が強過ぎて羨ましい。私はこんな状況にならないよう生きてきた人間だから、こんなに注目されるのも慣れてないし居心地悪いにもほどがある。
一方的に叫ぶホーディ。正直、状況を読むには情報があまりに少ないのだけど、とりあえず人間への差別意識が凄まじいのはヒシヒシと伝わる。
「みろ、この腕に覚えのある海賊達の姿！！これがお前達の未来だ�倏�わら�瓠�！！
_______おれこそが、真の�牾ぢ渦Ν瓩砲佞気錣靴ぁ�！！」
「海賊王……？」
猛々しい十万人分の雄叫びの中から、カチーンと音がした。ルフィさんの琴線に触れたらしい。
……あれ、隣にいたナミさんがいつの間にかいない！？
「こっちが１１人。一人頭、一万人か」
「数いりゃいいってもんじゃねェだろ、海軍の精鋭でもあるまいし。……前に出るなよ」
「まず前に出る戦闘スタイルじゃないから、安心してほしい！」
「ヘェ……」
感心したようなゾロくんにちょっとカチンときた。
怖いし弱いけど、あんな力任せなだけの輩に負ける程度で新世界に行こうなんて思ってない。その厳しさは、漫画として知っていた頃から重々分かっている。
「ん？」
「おいルフィ！」
_______ドクンッ！！
一人前へ歩み出たルフィさんから発せられた、圧。
最前線から伝染するように、数メートル圏内で立っている人はいなくなった。
，
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 769人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
