67話 ページ23
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上下左右、見渡す限り氷壁で、その中に恐らく死体と思われる巨人達がいたのだから、パニックになるのは分かる。でも置いていかれたのは流石にちょっとショックだった。
子ども達に声をかけながら、薄暗い道をドタバタ走る。
「ハチャ〜〜〜！！外だ〜！！！」
チョッパーくんが蹴り開けて出た先は極寒。ビキニにパンツスタイルで長居すれば死んでしまうような、凍てつく寒さだ。肌が寒いを通り越して痛みすらある。
「外……いや〜寒〜〜い！！」
「し、死ぬ……ッ！！」
走り抜けるにしてもこの装備は。そう思考した刹那。
「�倏�わらの一味�瓠�！」
「_______ぁ」
驚愕したような、女海兵さんの姿が目に入った。
一気に激しくなった動悸と、不自然に止まった呼吸。
意気揚々と家へ帰ろうとする子ども達や、目の前の海兵に真隣にいる別の海賊も視界に入らなくなった。
_______く、いな、ちゃん。
凝視しているのがバレたのか、バチンと視線が交わる。
すると彼女は一瞬眉を寄せ、すぐに目を丸くした。
「あなた、ローグタウンで……！」
「っあ、ぅ」
「あれ以降見かけませんでしたが、�倏�わらの一味�瓩涼膣屬世辰燭鵑任垢諭�？」
眉を釣り上げて怒る顔まで同じ。でも、どこか自信なさげで女性らしさが残る雰囲気は、くいなちゃんらしくない。あんなに道場で溌剌と過ごしていたのに。
…………違う。ちが、う。あれはくいなちゃんではない。
全く別人の、知らない人。似ているだけの人。
従姉妹ではない、あの道場を知らない、あの日々を知らない、私の知るあの子ではない。
_______私の手が、届かなかった、あの子。
「ここは無理だ、出口を変えよう！」
「みんな、中へ！！」
サンジくん達の声にハッと意識が戻った。
……こんな時に気をやるなんて、どうかしてる。
サンジくんに心配そうな顔で見られてしまって、反射的に出た苦笑で誤魔化した。めざとくて困ってしまう。
子ども達を前へ走らせようとする彼ら。先回りして、敵がいないか見ておいた方がいいだろう。
最前線にいたフランキーさんも追い抜いて、とにかく前へ。色んなものを振り払いたかった。
「_______��ROOM�瓠�
低い声が不思議と耳についた。
目の前まで広がった、私とフランキーさんを隔てる青い膜。フランキーさんと目を合わせてキョトンとした刹那、横並びに走っていた仲間の四人からハートが飛び出した。
…………エッ飛び出した！！？
「�爛轡礇鵐屮襯梱瓠�
また聞こえてきたその声に、口角が引き攣るのを自覚した。
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