【ONE PIECE】必要とされるには勇気がいる【ゾロ】 (ページ3)

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47話ページ3

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着いた竜宮城は、まさに前世で絵本で見たような、絢爛豪華なお城だった。

塔の天辺には、塔を巻き込み豪快にとぐろを巻く竜が吠えるように口を開けていて勇ましい。辺りを泳ぐ小魚も美しい鱗を持つものが多く、海亀みたいな亀や、生態が予想出来ない植物も群生している。

とはいえ、大きな扉を開けてすぐのところで家臣に怒られている王様を見るとは流石に思ってなかったけど。

反論しても意味はない。王様、弱……。

タツノオトシゴとナマズの人魚である二人の家臣が、いわゆる大臣とかその辺の立ち位置なのだろうか。

「あれ？ルフィは？」

「さっきまでここにいたけどな」

「お持て成し、まだですかねー」

「どんなお持て成しか、楽しみですね」

「ヨホホホ！是非とも人魚の歌を聞かせて頂きたい！」

ルフィさんがいなくなったらしいが、もう動じない。

あの人は一種のマグロだと思った方がいい。その船員たるナミさんもはぐれた上で普通に買い物してたし、放任主義くらいがちょうどいいんだろう。

なんて考えていると、少々不穏な気配。

寄る漣(さざなみ)の様な気配に、敏感かつ臆病な私の心臓が危機を知らせている。

そもそも、少し違和感がある。
宴がどこで行われるかは知らないが、料理の匂いも給仕の運ぶ音もないのだ。慣れた予感に、ソッと息をひそめる。
そのまま気配と足音を隠し、場を離脱。

二年もあれば、技術のいくつかは習得出来る。私は革命軍にいたのだ、隠密のプロフェッショナルが多い。
元々逃げ隠れするのが得意だったのを更に磨きをかけ、今や革命軍にも認められたくらいである。

まあ元々が日本人だから、この世界の人間よりも察することが得意というのもあるんだろう。

「うわあ、本当にいた」

「……ア？こんなとこで何してやがる」

「それはこっちのセリフかな……牢の中でお酒って、呑気過ぎるよゾロくん」

だと思った、としか言えない。

どう足掻いても私たちは海賊。
不穏な気配がしたとなると、大抵行き着く先は牢の中。

こういうお城の構造上、大抵牢屋は地下にある。監視の目を掻い潜って様子を見にくればコレだ。案の定過ぎて気が抜ける。

「はい、刀」

「お、助かった」

近くに立てかけられていた刀の持ち手を差し出せば、受け取った直後に柵を斬り落とし轟音と共に歩いて出てきた。散り散りになった後の再会がこれとは、なんとも。

複雑な心境に眉を寄せていると、知ってか知らずかポスンと私の頭に手を置いた。

「無事でよかった」

「……〜〜ッ」

案の定勝てる気がしないよ、ナミさん。