【ONE PIECE】必要とされるには勇気がいる【ゾロ】 (ページ18)

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62話ページ18

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「「「財宝全部……ビッグ・マムにあげた！！？」」」

ルフィさん曰く、旗を貸す代わりに要求していた十トンのお菓子を差し出せないので財宝を譲り、ついでに喧嘩を打って来たとか。その"ついで"はいらなくないかな！？

大混乱の様子にオロオロするしかなく。かの『四皇』に、だなんて話が大き過ぎて実感が湧かない。
まあ、三人をボコボコにしたナミさんは財宝全部渡したことにブチギレていたけれど。四皇というワードを無視してるし、相変わらず逞しい……。

「よひ……行くぞ……〝新世界〟へっ……」

「「「前途真っ暗だよっ！！！」」」

海賊って、みんなこうなのかな……。

「え〜〜んルフィ様達、本当にもう行ってしまうのですか！？せっかくお友達になれましたのに……せめてあと一日……いえ一週間……いいえ一年だけ！！」

どうどん期間が伸びていく要求に、苦笑いをこぼす。
サンジくんは浮かれ切っているけれど、ルフィさんは止まる気ゼロである。かの人魚姫に引き止められてその対応なのは、流石。

歌うブルックさんに喧嘩し出すサンジくんとゾロくん。絶望に泣くウソップさんとチョッパーくん。カオス過ぎないかな。もうちょっと大人しく出航……無理か。

「行こう〜〜！！！」

コソコソ話す大臣とネプチューンが気になるけれど、準備も整ったので聞くことはなかった。

びっくりするくらいの歓声に押されて進むサニー号。旅人だった頃、見送りしてくれる人の方が稀有だった私にとっては慣れないもので、少し困ってしまうくらいだ。

しらほしさんと仲間達の約束は見守るに留めた。
あれ以上指をくっつける場所が無さそうなのもあるけれど、見ているだけでも充分だ。

上へ上へと浮かんでいくサニー号。
一歩先すら見えない暗い深海を穏やかに通り抜ける時間は、行き道とは全く違う良い静けさだ。
あのときは、ルフィさんやゾロくんが行方不明になっていたから怖かったんだよなあ。

「船体にしがみつけ〜〜〜〜！！！」

…………で、なぜこんなことになるのかなあ。

ナミさんの後にお風呂に入ろうと思っていたのに、ルフィさん達が始めた魚釣りのおかげで白い竜(ホワイト・ストローム)に巻き込まれ、視界も船もぐるんぐるん回転している。

ブワッと浮いた足元に心臓がヒュッと冷たくなり、何かを掴む前にガシッと腰を誰かに抱えられた。無我夢中でその体にしがみつくと、より腕の力が強まったので恐怖が薄れるものの、怖いものは怖い。

ドォン！と船体が何かにぶつかるまで、怖過ぎて声すら出なかった。

もっと穏やかな船旅を希望します！！