61話 ページ17
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これだから目が離せねェんだと、ため息が漏れる。
見覚えのある奴が懲りずに何かしてやがると思えば、また見覚えのある手がもがいているのが見えて肝が冷えた。
すぐさま手を掴んだ直後にルフィがぶっ飛ばしたので巻き添えを喰らわずに済んだものの、あと少し遅かったらと思うと笑えない。
「ルフィ様ぁ〜〜〜え〜〜ん恐ろしゅうございました〜〜ぁ！！」
「あいつ、まだいたのか」
肉を食いながらしがみつかれているルフィを横目に、プルプル小刻みに痙攣する女を抱き寄せる。ビクッと肩が跳ねたが、大人しく懐に収まる姿を見るによっぽど怖かったらしい。
「お前らいーなー！なんでクソマリモにもいて、俺に飛びついてくるレディがいねェんだよ！！畜生っ！！」
「うるせェな！！」
地面を叩いて喚くクソコックに一喝しつつ、未だに震える体を宥めるために背中を軽く叩く。顔がこちらに向いた。
今にも溢れそうな大粒の涙が、視線が交わると同時にぼろぼろこぼれ落ちていく。呆れ半分安堵半分の心情を隠して涙を拭うと、勢いが増した。ていうかこいつ、なんで羽織っていた上着が無くてナミと似たような服装になってんだ。
「ぁ、あ"りがとう……っ！！怖かったよ〜〜！！」
「さっきの今で、なんでこんなことになるんだよお前は」
「知らないよぉ！！」
しらほしにも負けない声と涙の勢いに、ルフィの言う通り似てるなと思いつつ抱き締め直すと、今度は躊躇なく背中に手を回してひっついた。
子どもみたいに泣き叫んだかと思えば、大人のように振る舞って、かと思えばギャン泣き。イメージが安定しない。
昔はもう少しおとなしい印象だったが、こうして剥き出しの感情のままに縋り付かれるのも嫌ではないので沈黙を選ぶ。
黙って頭を撫でつつ宥めている間に、大臣とナミとネプチューンが到着した。あいつは誘拐しようとしたに飽き足らず、財宝も奪っていったらしい。イヤな予感がして、思わず腕に力を込めると不思議そうな顔が見えた。
「あんた達、何であいつ吹き飛ばしたのよ……！！
なぜここで殴って縛り上げなかったの！？」
「「え」」
ルフィと声が揃ったのも束の間、ナミにAを奪われてすぐ吹っ飛ばされた。
「さっさと探してらっしゃいよ〜〜！！」
「「ああああああ〜〜〜！！！」」
「アンタも、いつまでも泣かないの」
「ごめんね。なんか最近、涙腺緩くって……おかしいな」
「全くも〜……」
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