55話 ページ6
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「てっきり訓練中かと思ってた」
「そのつもりだったんだけど、イレイザーヘッドに……」
言い淀み、そのまま少し険しい顔で黙り込む心操くん。クリスマスくらい休めとでも言われたのかな。
数歩前を歩く心操くんの後ろをついていく。手には見慣れた猫の餌があり、寮で餌やりに誘われた時は暗号か何かかと思った。
「寮遠かったでしょ。事前に連絡してくれれば良かったのに」
「いや、本当は邪魔になると思って来るつもりなかったんだ」
「ならどうして」
また黙り込む心操くん。なんかいつにも増して何を考えているのか読み辛いから流石の私でも困ってしまった。
考えが整理出来てないのかな、と当たりをつけてそれ以降特に話を振らずに黙って歩く。
躊躇いもなく森林地区を進んでいく背中。
雄英の森林地区に猫が住み着いてるなんて、何故気付けたのか心底不思議だ。というか猫の住処を見つけるのやたら上手いんだよなあ。
「いた」
そう呟いて、しゃがみ込む。猫も心操くんを覚えているのか、私を気にして近くに来ないものの心操くんが差し出した餌を食べている。
「好きだよね、猫」
「うん」
中学の頃よりずっと筋肉もついてガタイも良くなったのに、猫に対する柔らかく優しい声音は変わらない。下校中に出てきた猫とコミュニケーションとって遊んでるところに遭遇したときは結構びっくりした。本人も恥ずかしそうだったけど。
私も好きだけど、心操くんほどじゃないなあと猫を見ているといつの間にか心操くんが私を見ていた。
「最近忙しい、よな。さっきも作業中だったみたいだし」
「え？あーうん、来年の準備がね。心操くんもでしょ」
「多分咲月ほどじゃない」
久々に名前呼ばれた気がするなあとぼんやり思う。少し前まで毎日のように会ってたし、会わないことはあれども連絡もなかなか出来ないなんてこと中学でもなかったしなあ。
フイ、と交わっていた視線が解かれた。
「……悪い、邪魔して」
「なぁに、なんかあった？」
「いや」
「OKあったね、さあキリキリ吐こうか」
「せめて弁明させてよ」
ふはっ、と吹き出すように笑ってくれたので第一関門クリア。すーぐマイナス方面に考え過ぎてしまう人なので一回笑わせた方が良いのだと中学の時に学んだ。
あー、と言い辛そうに目を彷徨わせて猫を撫でていた手が止まる。ほんの少し耳に赤みが差した。
「…………ちょっと、会いたくなっただけ」
「死」
「えっ」
何故死なないと思ったの。
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たに - 面白かったです！終わり方もめっちゃ良かったです！！素晴らしい作品をありがとうございます！ (1月7日 15時) (
レス) @page49 id: 9b7538881a (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 爆豪ママ強いｯｯｯｯｯｯ…そして爆豪ｯｯｯｯｯｯ(ただいま語彙力喪失中) (12月3日 15時) (レス) @page32 id: d42f7f8d81 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - とよさん» 天の上！？バッキュンバッキュン！！？ 不意を突かれて笑ってしまいました、ありがたいコメントありがとうございます(笑)。私としましても楽しく書けた懐かしい作品だったので、読んで頂けて嬉しいです。楽しんで頂けたなら幸いです。改めて、ありがとうございました！ (2023年3月17日 12時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
とよ(プロフ) - 初コメ失礼します。心操君の夢小説あんまり無かったからこんな良作見たかって私は大変幸せです。改めて完結おめでとうございます。これからも二人を天の上で微笑ましく眺めていたいです。とっても面白くてハラハラバッキュンバッキュンな神作をありがとうございました。 (2023年3月17日 8時) (レス) @page49 id: d1624c287f (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - 気に入ってくださってありがとうございます〜！出来る限りちょっと直球すぎるけど可愛い女の子を目指したので嬉しいです！コメントありがとうございました！ (2022年8月18日 3時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
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