80話 ページ31
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正直なところ、イマイチ分からないのだ。
そもそも人間はめちゃくちゃに複雑な精神構造をしているわけで、チョンっと突いただけでぶっ壊れるような繊細さもあれば意外と耐える頑丈さもある。
それに伴って一言に愛だの恋だの言えど、一種類だけではない。
恋愛はもちろん友愛に親愛に家族愛、はたまたそれ以外。
多岐に渡る中で、私にとっての心操くんはどれだろうと考えなかったわけじゃない。そのどれもを内混ぜにしたような心地がして、一周回って皆目見当もつかない。
「ッッチ！！！」
「凄まじい舌打ち。そんなんだからバレンタイン一つも貰えないんだよ」
「あンのクソデクゥ……！！」
爆豪くんとの会話は基本先読み合戦である。バレンタイン云々がどこから漏れたのか即座に把握した爆豪くんが凄まじい怒気を放っているが今はそれどころじゃないので無視した。
喋るのに思いの外体力を使ったのか、また眠気が襲ってきた。まあ頬の怪我のせいが八割くらいなんだけど。
口元を覆う呼吸器と顔の右半分を覆うガーゼが喋るのにとても邪魔。しかし一度だけ見たガーゼの下は、割と酷い有様だったのでベリッと剥がし辛い。他人に見せても良い顔はされないだろうとすぐ分かる。
「……痕、残るんか」
「ん〜……？んー……まあ確実に残るだろうね」
瞼が重い。
今の私は意識がフワフワしていて、眠気も相まって口を滑らせたのは正直申し訳なかったなと、後に思った。
「右耳も、残ってる」
「ア？」
「右側、ね。ほぼ聞こえない」
息を呑む気配がして、あ、やらかしたなってぼんやり思った。
初めて個性の仕組みを知った時、脱水症状については調べてた。だから調整も特訓もしてたけど、これは避けられないよねえ。
今は扉側に左耳があって右側が壁だから問題はないし多分医者も後遺症が残ることは分かっていても、それが聴覚なのはまだ気付いてない。その内言うつもりだけど、今は左側が扉で良かったなあって感じ。
「ばくごーくんさぁ……星見たことある？」
「……ァア？」
「ただの星じゃなくて、とびっきりの……一等星」
眠くて呂律が回らなくなってきた。
重い瞼をこじ開けてチラリと見ると、怪訝な顔。当たり前だ、話が二転三転してる自覚はある。
なんとなく、誰かに話したい気分なんだ。
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たに - 面白かったです！終わり方もめっちゃ良かったです！！素晴らしい作品をありがとうございます！ (1月7日 15時) (
レス) @page49 id: 9b7538881a (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 爆豪ママ強いｯｯｯｯｯｯ…そして爆豪ｯｯｯｯｯｯ(ただいま語彙力喪失中) (12月3日 15時) (レス) @page32 id: d42f7f8d81 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - とよさん» 天の上！？バッキュンバッキュン！！？ 不意を突かれて笑ってしまいました、ありがたいコメントありがとうございます(笑)。私としましても楽しく書けた懐かしい作品だったので、読んで頂けて嬉しいです。楽しんで頂けたなら幸いです。改めて、ありがとうございました！ (2023年3月17日 12時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
とよ(プロフ) - 初コメ失礼します。心操君の夢小説あんまり無かったからこんな良作見たかって私は大変幸せです。改めて完結おめでとうございます。これからも二人を天の上で微笑ましく眺めていたいです。とっても面白くてハラハラバッキュンバッキュンな神作をありがとうございました。 (2023年3月17日 8時) (レス) @page49 id: d1624c287f (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - 気に入ってくださってありがとうございます〜！出来る限りちょっと直球すぎるけど可愛い女の子を目指したので嬉しいです！コメントありがとうございました！ (2022年8月18日 3時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
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