女は辛いね (開久) ページ42
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「何なのよっもう!猛にベタベタしないで!!」
目の前でヒステリックに騒ぐ女。このご時世には短めのスカートに黒のタイツ。スカーフは緩く結ばれ、第1ボタンは当然のように開いている
化粧もしているその人は、相良さんの女らしい
本人は暇つぶしとかのつもりで一応認めてるらしいが、女の方はベタ惚れで。
やたらと肩やら組んでくるその行為は私が強要してるように見えるらしい。
あるあるだし、理不尽過ぎるよね。こういう怒り
わざわざ開久から離れて呼び出され、人のいない路地でずっと叫んでいる。
生い立ち故に怒号の類は耳がシャットダウンしてしまうので、全て聞き取れない事に何だか罪悪感が湧き上がる。可哀想だなぁ、この人も。
相良さんの中では女って何番目なんだろ。
「聞いてんの!?」
肩で息をしている女の怒号が止まる。
話すチャンスっぽいので口を開きながら、そこらの壁に背を預ける
「んー、やめといた方がいいよ、あの人は。
女より喧嘩だし、本気になるだけ傷付くよ」
「知ったかぶらないで!!!」
またなんか怒らせた。沸点低いなぁ
ツカツカと歩み寄り勢いよく手を振り上げる。何もせずに腕を組むと、頰に平手が直撃。
パシィン!と良い音が響き渡るも、何もスッキリしなかったらしい。胸倉を掴みあげられる
すると、喧嘩沙汰で私を呼びに来たのか灰色の制服が女の背後に映った
「何やってんだ」
女の手首を掴み、ギリッと音がする。痛みに顔が歪んだ女の顔に一瞬 哀れに思うが助けてくれた人に目が奪われた
「か、片桐さん……っ!!」
「おいおい、何やってんだァ? A
痴情の
「当事者が何を。
つかそんな言葉知ってたんですね」
「あ?」
ガンくれてくる相良さんに期待の目を向ける女
呆気なく解けた手。片桐さんがこちらを向いて、予想通り潰しに行くということを伝えられ、ハートマークがつきそうな勢いで返事をした
その傍で、女が必死で相良さんに助けを求めて弁明している
「何だテメェ、Aに何してんだ」
「だ、だって、あの女が……!」
「見てわかんだろ。
アイツは智司しか見えてねぇよ」
「何されてたんだ」
「なんか私が相良さんを誘惑してるとか思ったらしいですよ」
「……絶対ねぇな」
「ですよねー」
次の日には別れたと聞いた。
しつこくし過ぎて……。と取り巻きがそこで言葉を切ったのには色々察した。だから言ったのにね。
ご愁傷様です。
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雅榴(プロフ) - 亜鉛2℃さん» ずいぶん懐かしい作品にコメントして頂きありがとうございます。未だに見て頂く機会があること、嬉しく思います。拙いものでしたが、楽しんでくれたなら幸いです。コメントありがとうございました! (11月4日 23時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
亜鉛2℃(プロフ) - このお話大好きです。本当に大好きです。今まで見てきた物の中で一番です。素晴らしいものを読ませて頂けて本当に感謝しかないです。これからも彼女や彼らが幸せであることを願っています。 (11月4日 15時) (レス) id: 7a92f90d7d (このIDを非表示/違反報告)
美琴 - こちらこそありがとうございます!次のお話、楽しみにしていますね! (2019年1月9日 8時) (レス) id: b44405ced5 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - 美琴さん» なるほど!どれも私には無かったネタです、ありがとうございます!!(*゚▽゚*) 警察は新しいし、弟に尽くす姉も良いです!コメントありがとうございます!是非とも参考にさせて頂きます! (2019年1月9日 8時) (レス) id: cad46f67b3 (このIDを非表示/違反報告)
美琴 - 新作ネタのリクになるのでしょうか?前作は孤児院の所の子だったので、次は警察上層部の娘!というのが一つと、小学生の兄弟のいる家族に尽くす女の子とつっぱりたちのお話が一つです!少しだけでも参考にして頂けたら嬉しいです! (2019年1月9日 7時) (レス) id: b44405ced5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雅榴 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miraku/
作成日時:2018年12月26日 23時