開久の忠犬 番外編

女子会 (ヒロイン達) ページ41

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「それで、私の隣を通った車から伊藤さんが庇ってくれて〜！！」

「良いわね、伊藤ちゃん優しいもんね！」

「幸せそうで何より」


キャー！と言い出しそうな程にテンションの上がった京子ちゃん。頰は真っ赤で、目は幸せそうに細められていて可愛い笑顔
それを聞いている理子ちゃんもつられるように惚気だす。それをコーヒー片手に相槌を打つ

学校終わり。珍しく相良さんから収入を頂き、今日は余裕があると理子ちゃんに漏らした昼間、理子ちゃんはすぐさま京子ちゃんを誘って私をサテンへ。

絶賛 女子会という名の惚気大会中だ


「Aちゃん！」

「無いでーす」

「もうっ、そんなことないでしょ
開久なんかツッパリばっかりだけど周りは皆 男の人じゃない」

「いやいやいや……ねぇ」


片桐さんは尊敬の対象だし、相良さんはマジでやめた方がいい。言っちゃなんだけど選ぶ子はだいぶ物好き。助けられても私はアレを絶対に好きにならない
周りも私より弱いし、例え強くても恋愛的に見る事も見られる事も無い


「伊藤くんみたいに穏やかで優しいツッパリは居ないし、三橋くんみたいに卑怯だけど仲間想いな人もいないよ」

「そうですよね、伊藤さんが一番ですよねっ！」

「三ちゃんは……確かに」


何だかんだ相手を褒められて嬉しそうな二人に微笑ましい笑みを贈る。ダブルデートだ何だのと楽しそうに計画しているのを見ながらコーヒーを飲む。
……私 何しに来たんだろう。楽しいけどね


「Aさんも行きましょう！遊園地！」

「…………え、２組のカップルと一人の女？」

「違うわよ、Aちゃんも誰か誘うの」

「えぇ………無理無理
お金も無いし」

「私、前から伊藤さんと行くためにずっと貯めてるチケットあるんです！カップルで４回分！」


いやめっちゃ集めてる……。凄いね京子ちゃん
おもむろに財布から出したチケットを理子ちゃんが二枚取る。私にも差し出されたチケット二枚
受け取ろうにも受け取れない


「誰でもいいのよ？今井くんとか」

「妥協案で今井くん出すあたり酷いね理子ちゃん」


少なからず自分を好いてる人を誘えというあたりの鬼畜さも嫌いじゃないよ
とりあえず受け取るだけ受け取る。遊園地とか人生そう行かないし、まずあんまり興味無いけど この二人のキラッキラした期待の目には逆らえないよなぁ

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