12話 ページ12
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スワロー島を離れてしばらく。
結局、フレバンスにも両親のそれぞれの故郷にも訪れることなく、行商人見習いとして父と流浪の旅を続けている。
「そ、そんな……どうして」
「…………」
「そんなことってあるかい、父さんは何かしたか！？」
船の上で過激に嘆く父の姿に、思わず眉間を寄せて睨む。
相変わらず筋骨隆々だが温和なその中身は変わっていない。だが、商売のときにとても役立つその肉体も今は形無しである。
「うるさいなあ、ちょっと過敏過ぎるって。
_______
「反抗期だァアアア！！！」
「マジで黙って欲しい」
親バカにしたってフルスロットル過ぎるんだよな、我が父親ながら。普通に恥ずかしいから自重してほしい。
つい先日まで私は父を「父様」と呼んでいたが、どうもこれは世間でも少数派というか、身分の高い人が使う言葉という傾向があるらしく。
会話だけ聞いていた部外者に貴族か何かだとか勘違いされて襲われることが多発したのだ。父さんの前には何の意味もなかったが、自衛に越したことはない。
「どうでもいいから、さっさと行こうよ」
「ウゥッ……すっかり娘が冷たくなったよ、母さん……」
「そんなことを母様に報告しなくていいから！！」
小さな写真立てに飾られた母様の写真にわざとらしく語る父に怒鳴りながら、上陸の準備を整えた鞄を持ち直す。
渋々父さんも大きなリュックを背負って、島へ降りた。
父さんは、町や村で地面に大きな布を敷いて簡易的な露店をするときもあれば、固定客だという人の家や店へ行って営業するときもある。
仕入れ先は厳選した相手と長期的な付き合いをしているのが主で、あとは津々浦々。流れるままに流されて、偶然的な縁を頼りに仕入れるというなかなかハイリスクなスタイルをしていた。
父さんはいつも通りフラッと市場を歩いているつもりなんだろうが、顔と筋肉の圧のせいで人の波を見事に割って歩いているため、どこぞの神話みたいになっている。
あれの後ろで歩くの楽だけど恥ずかしいから別行動したいとか言ったら、また泣くんだろうな。流石にちょっと面倒だ。
一通り仕事を終えれば、船に戻って一夜を越す。
もう数日この島で過ごす予定だが、節約のために基本は宿を取らないのだ。
「年に一度っていってたけど、いつお墓参り行っていいの？」
聞いただけだから、商談の時間を早める電話しなくていいよ、父さん。
深夜だから。出るわけないから。頼むから落ち着いて父さん。
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「あいつ、いつになったら連絡するんだよ……！！」
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雅榴(プロフ) - 翠さん» 多分、どうせ年内には作るんだよなぁと開き直ったので尻叩きに予告してしまいました笑 休息も兼ねますので多少時間はかかりますが、気長にお待ち頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました！ (2023年2月5日 18時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - 時雨さん» 休息も兼ねてゆっくり考えようかなと思っているので、気長にお待ち頂けると嬉しいです〜！ご期待に添えるよう頑張ります、コメントありがとうございました！ (2023年2月5日 18時) (レス) @page42 id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - なんと…！続編も…！！最高です、本当にありがとうございます。体調にはお気をつけて。また！ (2023年2月5日 16時) (レス) id: 64131c5e87 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 続編ありがとうございます🙏最高です；；！この後どんな展開になるのかとても楽しみです！これからも応援しています。 (2023年2月5日 13時) (レス) @page42 id: dee2fbc24a (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - チックタックさん» ありがたいお言葉をありがとうございます！続編はうっすら考えてはいるものの、そもそも作るかを悩んでいるのでそう言って頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました！ (2023年1月31日 12時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
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