37話 ページ37
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気付けば、ずいぶんと長い旅をしてきた。
最初はスワロー島を中心に行っていた商売が、気付けばあの世界を隔てる壁さえ超えて行われている。たくさん勉強して、色んなものを見聞きしてきた。
父さんはすっかり有名な商人となってしまい、海軍から正式な入隊の勧誘が来たときはひっくり返ったものである。断る内に少将や中将と名だたる老兵たちも出てきたので、我が父ながら恐ろしい。
けれどやはり父さんは頷かなくて。最後まで私を守るのだと、そして旅を続けるのだという主張を貫いた。最後に来たあのガープさんすら認める気迫である。以降はパタリと来なくなったので、ガープさんが口聞きしてくれたのだろう。
「大丈夫。何があっても、父さんが守るから」
口癖ですらあるそれに、嬉しいとは思う。
けれどやっぱり心配なのだ。年齢のこともあるし、どれだけ強くても戦い続ければ疲労はたまる。いざと言うとき、父さんを残して逃げるなんて最悪のことになりかねない。
けれど、私には取り立てて戦闘の才能はない。強くなるのも時間がかかる。その間に何かあれば、本末転倒だ。意味がない。
だから、私と一緒に父さんを守ってくれる人が欲しい。
それが恋人となる人なら、尚嬉しいけど。
…………あと、流石にそろそろ自立を考えたい。この歳でおんぶに抱っこは恥ずかしくなってくるよ、流石に。
「アンタんとこの娘さん、婿を探してるんだって？どうだい、うちの息子！器量も良いし見た目も悪くないだろう」
「ハハハハ」
擦り寄ってくる商売仲間の言葉に、まるで棒読みの父さん。取り繕う努力くらい見せて欲しい。
父さんが有名なせいか、その娘たる私も知られてしまっている。おかげで世間話でこぼしたことが瞬く間に知られてしまい、見合い写真を売り込まれることが増えてしまった。そうじゃないんだよなあ……。
「みんな弱そうだし、父さん見て怯えてばっかり。せめて父さんと対等に話せる人がいい」
「そうだねェ」
「強くて、人を率いるカリスマ性があるといいな。あと、職業は問わないけど私は商人だし頭の良い人」
「……そうだねェ」
「あとは……一途な人だよね、やっぱり」
「…………そうだねェ」
「なんでちょっとずつ間が広がっていくの？？」
「あと、直向きに愛して欲しい」なんてメルヘンな願望を漏らしたら、とうとう父さんは頭を抱えてしまった。
何で？？？？
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雅榴(プロフ) - 翠さん» 多分、どうせ年内には作るんだよなぁと開き直ったので尻叩きに予告してしまいました笑 休息も兼ねますので多少時間はかかりますが、気長にお待ち頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました！ (2023年2月5日 18時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - 時雨さん» 休息も兼ねてゆっくり考えようかなと思っているので、気長にお待ち頂けると嬉しいです〜！ご期待に添えるよう頑張ります、コメントありがとうございました！ (2023年2月5日 18時) (レス) @page42 id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - なんと…！続編も…！！最高です、本当にありがとうございます。体調にはお気をつけて。また！ (2023年2月5日 16時) (レス) id: 64131c5e87 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 続編ありがとうございます🙏最高です；；！この後どんな展開になるのかとても楽しみです！これからも応援しています。 (2023年2月5日 13時) (レス) @page42 id: dee2fbc24a (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - チックタックさん» ありがたいお言葉をありがとうございます！続編はうっすら考えてはいるものの、そもそも作るかを悩んでいるのでそう言って頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました！ (2023年1月31日 12時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
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