22話 ページ22
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スワロー島に行けなくなって数年。
最弱の海と言うだけあって、以前に増して平和になった旅路ではある。
ただ、最近は増して筋肉量の増えた父さんを商人ではなく傭兵と勘違いして護衛を頼まれるのがちょっとした悩み(？)である。もういっそ兼業して更に稼いで来いよと言いたいくらいには間違われる。
「A、ちょっとお使いを頼むよ」
最近海賊相手にも商売相手を広げ始めたためか、一気にターゲット層が広がって仕入れるものが多くなった。そのおかげか、今日のように店と仕入れの役割を分けてやることが増えた。
仕入れは審美眼や話術の有無が問われるものの、散策や刺激にもなるので嫌いではない。
鼻歌を歌いながら昨日上陸したばかりの島を歩き回る。なかなか栄えた市場は広い道ながらも露店と人で埋まり、少々歩きづらい。
「今日の仕入れは……」
メモを見ながら歩いていると、栄えた島らしい賑やかな音楽が耳に届く。見れば、小さな音楽隊がアップテンポな音楽を奏でて町を更に活気つけていた。
それにまた上機嫌になって、目に入ったストリートピアノ。空席のそれはなかなか立派なもので、町行く人に聞けば今日は祭りだから出しているのだとか。
「嬢ちゃんが弾けるなら、是非とも弾いてやってくれ。いつもピアノを弾く奴がいるんだが、手を怪我して出て来れないんだ」
「……なら、お言葉に甘えて」
徐に席に着けば、視線が集まる気配。ザッと多数の目がこちらに向き、ピアノに触れる手を見られていることをひしひし感じる。
懐かしい。
「_______」
一つ呼吸をして、机を叩くのと同じように指を動かせば、コンコンという味気ない音ではなく完璧に調律された音が響いた。音と音が連なり、流れとなり、曲となる。
島を超えて知られる有名なものを弾いて目配せをすれば、それを見た音楽隊が合わせ始める。
「こりゃ……また見事な」
「良い演奏に美味い酒！今日はいい日だ！」
鍵盤を押す感触も、滑らかな鍵盤も、思うように音楽を奏でる快感も。全て全てが懐かしい。母様とも、お祭りの日は一緒に外で弾いたんだ。
他にも楽器を嗜む町人たちがどんどん集まってきて、小さな音楽隊がオーケストラとなっていく。終幕の音を一斉に奏でたその一拍後、割れんばかりの喝采が場を包んだ。
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「キャプテン！なんかやってますよ、行きましょうよ！」
「騒がしいのは嫌いだ、おまえらだけで行ってこい」
「えー！？」
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雅榴(プロフ) - 翠さん» 多分、どうせ年内には作るんだよなぁと開き直ったので尻叩きに予告してしまいました笑 休息も兼ねますので多少時間はかかりますが、気長にお待ち頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました！ (2023年2月5日 18時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - 時雨さん» 休息も兼ねてゆっくり考えようかなと思っているので、気長にお待ち頂けると嬉しいです〜！ご期待に添えるよう頑張ります、コメントありがとうございました！ (2023年2月5日 18時) (レス) @page42 id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - なんと…！続編も…！！最高です、本当にありがとうございます。体調にはお気をつけて。また！ (2023年2月5日 16時) (レス) id: 64131c5e87 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 続編ありがとうございます🙏最高です；；！この後どんな展開になるのかとても楽しみです！これからも応援しています。 (2023年2月5日 13時) (レス) @page42 id: dee2fbc24a (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - チックタックさん» ありがたいお言葉をありがとうございます！続編はうっすら考えてはいるものの、そもそも作るかを悩んでいるのでそう言って頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました！ (2023年1月31日 12時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
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