【ONE PIECE】必要ない人間のはずだった【ゾロ】 (ページ7)

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7話ページ7

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「こんにちは！おじいさん」

「はい、こんにちは」

カウンターの向こうで古い本を読んでいたらしいジジイが顔を上げる。柔らかい笑顔で慣れたように出迎えているあたり、常連なんだろう。

「今日は何買うの？」

「前にね、とある国の歴史をまとめた本を買ったんだけど、そこにワノ国って国があるって書いてたんだ。
だからワノ国ってところに関連のある本が欲しい！」

「よく分からないけど、あるの？」

「分かんない……」

店主に聞こえないように「言っちゃ悪いけど大きい店ではないし」とぼやくA。
おれもくいなもその国には興味はないが、目的はAのしたいことをするのだから、そのワノ国とやらが書いてある本を探さなきゃならない。

くいながジジイに聞いてみても、名前すら知らないらしい。

「そのワノ国ってのは、どんな国なんだ？」

「さぁ？でも、独特の国らしくてね。
武士っていう刀を扱う人達がいて、有名な剣豪の出身地でもあるって書いてたから」

「剣豪！？強い国なのか！」

「みたいだね、どこまで本当か分からないけど。
とっても強いから、侵略もされないって書いてた」

パラパラと本の中を試し読みしては棚に戻し、関係ありそうな本をいくつか見繕う。といっても二冊だ。
どこか懐かしそうに、少ないワノ国の知識を話すAは少し遠く感じたが、気のせいとして片付けた。

「他は？まだ余ってる」

「え、全部使わなきゃいけないの？」

「今日をまるごとお休みにされたんだもん。
パパは滅多にそんなことしないし、お金も半日で消費出来ないくらい渡されたのよ」

「おれの分もあるぞ」

「えぇ……本を最初にしない方が良かったかも」

そうAがこぼすと、くいながジトッとした目でおれを見た。思わず後ずさって睨み返すと、更に鋭い目つき。

「何ぼさっとしてんのよ。男なんだから、女の子の荷物は持ってあげるもんでしょ！」

「はァ！？」

「男は女の子をエスコートするもんなの！」

そういってAが持っていた荷物をくいなが奪い取っておれに押し付けた。びっくりして目をまん丸にするAも気にせず、くいなはおれ達を置いて歩き出した。

「じゃ、じゃあくいなちゃんの荷物も」

「私は良いの！」

「えぇ……あ、えっと、別に大丈夫だよ？私持つから」

遠慮気味のAの奥で、くいなが顔だけこちらに向けて舌を出した。

「男のくせに、そんなのも持てないの？」

「っ〜〜！おれが持つ！！」

「え、えぇ……」

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