【ONE PIECE】必要ない人間のはずだった【ゾロ】 (ページ30)

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30話ページ30

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それ以降、ルフィが目覚めるまで特に変わったこともなく。あの全身が刃の敵と戦った集中力を任意のタイミングで引き出せるようになるべく鍛錬をし、チョッパーに小言を食らっている。

着々と目覚めていく一味を見て、その頑丈さと回復力に慄くAの姿は何度も見た。隣でナミとウソップがうんうん頷いていたが、おまえらも大概だぞ。

つきものが落ちたのか、以前より穏やかで気さくになったAは鍛錬の度に様子を見にくるし、使う岩のデカさにドン引いた顔をしている。
チョンチョン突いたり持ち上げようとしてみて諦めたりしているのを見て思わず眉間に皺が寄った。

「あ、ごめんね。邪魔した？」

「いや……」

眉間の皺を見るたび少しへこむもんだから、初めて皺が寄る癖を呪った。
別にムカついてるわけじゃない。寧ろ逆だ。

…………逆？

不意に出た自分の言葉に内心首を傾げるが、そんな場合じゃないと仕切り直して鍛錬を再開した。
拒絶が勘違いだったと気付いた今、殊更守るべく鍛錬を積み重ね、集中力を研ぎ澄ますべきだ。感情のブレも抑えられるようにならなければ。

３日もすれば一番重症だったルフィも目が覚めて、食べ損ねた分も食べるとか言い出したおかげでお上品なはずの食事は王も兵も関係なく一気に宴と化した。

食うもん食った後は風呂だ。チョッパーの世話をしつつ鍛錬で流した汗をすっきりしようと洗っているとクソコックを筆頭に女湯を覗き出した。
確実にナミに金を取られるだろうなと聞き流していた刹那。

女湯があるという壁の向こうから、声が聞こえた。

「あら？A、もう支度は終わったの？」

「うん。支度といっても、それほど大荷物ではないから」

「なら、背中洗いっこしましょう！」

_______ガンガンガン！！！！

「何すんだよ、ゾロォ！！」

「このクソマリモ！邪魔すんじゃねェ！！」

「王になんてことを！！」

「うるせェ！！
揃いも揃ってくだらねェことしてんじゃねェ！！！」

「騒がしいわね、男共は」

「わあ……」

「あははは！」

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