【ONE PIECE】必要ない人間のはずだった【ゾロ】 (ページ25)

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25話ページ25

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「ゾロ、ちょっと刀貸して」

「あ？何に使うんだよ」

「Aがどのくらいできるのか、確認するのよ。
あんたが止めるから刀も銃も持たせなかったけど、なんだかんだちゃんと確認してないじゃない？
逃げ足から見ても、言うほど悪いように見えないのよね」

「！？悪いことは言わねェ、やめとけ！！」

「は？」

ブゥン(素振り)、シュインッ(鞘が取れる)！_______ヒュッ(手から刀が飛ぶ)_______ガッ(壁に刺さる)！！

「「「ギャァアアアア！！！」」」

「だから言ったじゃねェかッ！！」

「あんた壊滅的な運動音痴ね！！！」

「う"っ！！」

シュンとして床に『の』の字を書き始めるAに何も変わらないなと思いつつ、ナミとウソップの頭の間に刺さった刀を引っこ抜く。壁には綺麗な穴。ここが訓練部屋で助かった。

ナミとウソップは泣くほどビビったらしいが、脳天に竹刀が刺さった記憶のあるおれもゾッとした。
どんなミラクルだ、こいつの運動音痴具合は。

「なんで鞘が飛ぶんだよ！
おおおおおれは死ぬかと思ったぞ！！」

「器用！逆に器用！！」

「だからやめとけって言ったんだ！」

「鞘あれば大丈夫って思うじゃない！」

ギャンギャン言い合うおれ達に対して益々小さくなって行く背中。立ち上がってトボトボ歩き出したと思えばズベシャッ！！と音を立ててずっこけた。
最初に絶叫したっきり恐怖のあまり声を失っていたチョッパーが全速力で駆け寄る。

今朝はもう大丈夫かと思ってたが、前言撤回だ！！

こいつ、おれが守らなきゃ死ぬ！！！

「私普通ですもん……みなさんがおかしいんです……」

「「「「ンなわけあるかァ！！」」」」

「すみません……」

床に寝転がってしくしく泣き出したA。
まさか自分たちより酷いとは流石に思ってなかったらしいナミとウソップが心底呆れながらAを見ている。

「おまえ、東の海(イーストブルー)だけじゃなくて南の海(サウスブルー)にも行ったことあるんだろ？
よく生きてこれたなァ」

「……逃げる手段はいっぱいあるし、気配消したりすればまず巻き込まれなかったので」

「才能偏りすぎよ」

後で来たビビに励まされ何とか立ち直ったAは満場一致で刀や銃火器に触るなと厳重注意を下された。
また『の』の字を書いていたが、自業自得だろ。