【ONE PIECE】必要ない人間のはずだった【ゾロ】 (ページ21)

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21話ページ21

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着々と船の進路は決まっていく。
リヴァースマウンテンに入ると決まったところで、Aが声を出した。

「あの！もしかして、グランドラインに入るんですか？」

「ええ、そうよ。何か問題？」

「えっと、私そっちじゃなくて"新世界"の方に行きたくて」

「"新世界"？」

赤い土の大陸(レッドライン)の向こう側。グランドラインの先にある、おれたちがいずれ辿る道。厳密に言うと新世界ではなく北の海(ノースブルー)方面らしいが。

元々ローグタウンを訪れたのも、海賊には使えない正規の道筋を通る予定の商船に乗せてもらえないか頼む為だったらしい。
元からあった罪悪感が増し、ナミとウソップにジトッとした目を向けられたところでルフィが言った。

「なら、この船にいりゃいいじゃねェか！」

「え？」

「おれたちもその"新世界"ってのにいつか行くんだ！
ゾロとサンジの友達なら降りる理由もねェだろ」

「ちょっとルフィ！その子は海賊じゃないのよ！？
万が一お尋ね者になったらどうするのよ！」

「そン時はおれたちが守れば良い。な！ゾロ」

にししと笑うルフィに思考する。
元々守るつもりではあったし、それを船長が許すなら好都合。オロオロしっぱなしのAを丸め込むのも今しかない。

ルフィの破天荒な行動に今後巻き込まれることは日常茶飯事になるだろうから、それが心配ではあるがそれも含めておれが守ればいい。

ずっと昔からそうしてきたように、これからもそうすりゃいいだけだ。

「任せろ」

「ゾロ！？」

「決まりだ！よろしくな、A」

「え、え？あの」

「すてきなレディが二人に〜！！
両手に華だァ〜〜！！」

「いや、それは無理だと思うぞ、サンジ」

騒がしくなる様子に最早何も言えなくなったのか、それともその賢い頭でもう無理だと悟ったのか。
馬鹿げた調子で揚々と食事の準備をしに走るクソコックに呆れた様子のウソップ、頭を抱えるナミ、一人愉快そうなルフィ。

呆気に取られるAの腕を掴み、これから増えるであろう席の一つに座らせた。
今はクソコックの席だが問題ねェだろ。

「諦めろ。うちの船長が許したんだ、理由がなきゃ意地でも降ろさねェぞ」

「……そっか……」

納得いかない、というよりも不思議そうな顔をしているのが印象的だった。