【ONE PIECE】必要ない人間のはずだった【ゾロ】 (ページ44)

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最終話ページ44

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瞬く間に船は海面の下へ。
眩い幻想的な世界に圧倒されながらも未だ理解出来ない。

「……なんで、わたし、ここに」

「あ？なんだ、まだ懲りてねェのか」

「さっきの今だよ！？理解すら追いついてない……！」

「だろうなァ」

うんうんと同情したようなウソップさんの相槌。オロオロ迷う視線は行く先がわからず下を向く。

もう邪魔をしないと言いにきたつもりだった。
これから先は本当に激しい冒険の連続になる。いちいち首を突っ込んでも邪魔になるだけで、何の手助けも出来ないと分かっているから。

だから、ピアスを返すのはこのタイミングしかないと思ってたのに！

「……お前、まだ思ってんのか？
価値がないだの、必要ないだの。くだらねェ」

「う"っ！！」

そう易々と変えられたら苦労しないよ！！！！

価値も必要もあるとゾロくんが言ってくれたけれど、そう思える根拠がない。例え頭が良くても、それを存分に発揮できるポテンシャルが無ければ、この世界では通用しないのだから。

私には、ポテンシャルも何も無い。どれだけ努力しても東の海(イーストブルー)の海賊にも勝てないのは目に見えたことだ。

「強くなったんじゃなかったのか」

「それは！……強くなれたよ。
でも、ゾロくんたちの冒険についていけるほどじゃない。
私は一人で(、、、)生きていくのがちょうどいいんだよ」

ついていくつもりで鍛えていなかったというのは言い訳だろう。ゾロくんは酷い人だ。私の力量も面倒くささも分かっているはずなのに、無理矢理船に連れ込んだ。本当に酷い人。

「……なら、根拠を教えてやろうか」

「え？」

「おまえがこの世界に必要だと言える根拠」

そんなもの、本当にあるのだろうか。

私はこの世界の異物だという感覚が拭えない。だから自分が本当に必要だと思えなくて、くいなちゃんのことで拍車がかかった結果が今だ。

自分は本来いなかったはずで、必要のない人間のはずだった。いない方がいいとすら思っている。
ずっとそうだと思って生きて来たのだから。

なのに、なのに_______

「好きだ」

「…………………………ェ」

「おれにお前が必要だ。
だからこの世界にお前が必要なんだ、これで充分だろ」

ハクハクと意味もなく口を動かす。
なんてことない世間話みたいに語るゾロくんと黙り込む周囲。

熱が、上る。

「……ヘェ、イイ面してんじゃねェか」

どうして、こうなった？