【ONE PIECE】必要ない人間のはずだった【ゾロ】 (ページ38)

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38話ページ38

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「Aッ！！！」

爆発の中心で膝から崩れ落ちた人影。
瞬く間に重傷と化したAの身体を咄嗟にブルックがキャッチした。ゾロがすぐにでも立ち上がり刀を構えようとしたが全身に力が入らない。息だけが荒くなっていく。

「大丈夫だ、ゾロ！まだ息はある！
早く逃げるぞ！！」

「お〜〜逃すわけないね〜〜」

「ックソ……！！」

今はとにかく逃げろとルフィの声が響く。
ゾロやウソップが目の前の敵から逃れる為の技を出そうとしたところで_______レイリーが黄猿の光線を受け止めた。

「____……あんたの出る幕かい、〝冥王〟レイリー……！」

「若い娘を巻き込み、若い芽を摘むんじゃない……。
これから始まるのだよ！！彼らの時代は……！！」

「おっさーーーん！！！」

レイリーの補助がありつつ、ルフィの声に従って逃げる一味に立ち塞がった、本物のくま。ブルックも、手助けに入ったサンジも既にパシフィスタにやられ、Aもブルックの腕から放り出されて倒れている。ウソップは狙撃手で真っ向からの戦いには向いてない。
現状を理解し、己だけが立ち向かえると判断したゾロが刀を構えた瞬間、くまが動いた。

「旅行するなら、どこへ行きたい……？」

「！！」

くまの声を最後に、ゾロの意識は飛んだ。

麦わらの一味はルフィ以外全て飛ばされた。
ロビンも飛ばされ、地面に倒れているAがルフィの視界に入る。

くまが飛び出したルフィよりも先に彼女の目の前に辿り着く。微かな息はあるが、意識の飛んでいる彼女に抗う術はない。

「やめろぉおおおお！！そいつは海賊じゃねェ！！」

「……」

「ゾロの、おれ達の大事な友達なんだ……！！」

むせながら荒い息遣いを繰り返すルフィ。
その訴えも虚しく、くまの手は彼女に触れた。

また一つ目の前で跡形もなく消えた人影に、ルフィは地面に頭をただぶつけるばかり。行く先の無い無力感。いずれ糧になろうとも、今はただ苦痛だった。

そしてルフィも、シャボンディ諸島から消えた。

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