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けれど彼女は、一般市民。
己はキッドと共に海賊を夢見る男。
キラーにとって、重要なのはそこ
「アイツ頭良いから、航海士として連れてってやろうと思ってたのによ」
そう言ったキッドの言葉を、そっくりそのまま彼女に伝えたキラー。あわよくば頷かないかと思ったのだが、Aは静かに首を振った。
「家と彼を捨ててまで、海に出ることはできないわ」
「……そうか」
「キッドもキラーも、とても強いもの。
きっと、すぐに有名な海賊になるわ。私なんか必要ないでしょう」
すっかり大人になった彼女は、最近花嫁修行を始めた。
大きく開いて力いっぱい地を踏み締めた足は、足音すら立てないほど静かで歩幅も小さくなった。
白い歯を見せる閃光が弾けるような笑顔は、口元に手を当てて声も控えめな上品な笑顔になった。
あの頃の名残が消えていく。
キッドとキラーとAが三人で過ごしたあの日々が、遠い思い出となって日々に紛れていく。
彼女はこの地に骨を埋めると決めている。
己は海で死ぬと決めている。
決して相容れないと、わかっている。
それでもやっぱり、キラーはあの子が好きだった。
だが、戦う力も航海術も何も身につけていない彼女を海に連れ出すほど、バカな男にはなれなかった。
だからキラーは悩んだ。悩んで悩んで悩んで悩んで、悩んで。
そうして、やはり己は海に出ると決めた。
けれど彼女を一人置いていくことは、もう出来ない。
彼女が自分ではない人間と愛を誓い、共に暮らし、幸せを築くなど、もう許すことが出来なかった。
「っキ……ぁ…………」
「すまない、すまない…………すまない」
ただ謝るキラーに縋る、小さな手。
ハクハクと声にならない言葉を紡ぐ唇の端から漏れる赤い筋。いくつか痙攣した後、その瞼は永遠に閉じられた。
己ではない男と幸せになってほしくない。
でも、彼女を海に連れて行けない。
でも、己は海に出たい。
相反する欲望が拮抗して、せめぎ合って。
キラーは、Aが好きだった。愛していた。
その心を、一度だって彼女に伝えたことはなかったけれど。
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雅榴(プロフ) - アレンさん» ありがたいお返事ありがとうございます！私もゾロが好きなので、そう言って頂けるととても光栄です！ 普段はレスに返事はしないのですが、嬉しくてついしてしまいました笑 コメント、リクエストありがとうございました！これからもよろしくお願いします！ (2023年4月9日 23時) (
レス) id: 2b6c68b317 (このIDを非表示/違反報告)
アレン(プロフ) - 雅榴さん» 返事が遅くなり申し訳ありません。最推しでして、いつか雅榴様のお話でこんなシチュのゾロが読んでみたいと思っていたのでついリクエストしてしまいました。笑 全然大丈夫です、書いて頂けるだけで嬉しいのでお気になさらず！！宜しくお願い致します。 (2023年4月9日 22時) (レス) @page40 id: 6328e5ff6e (このIDを非表示/違反報告)
オプチャのゆらち(プロフ) - 雅榴さん» ドロドロもぐちょぐちょも大好物ですので！！お願いします！！ (2023年4月7日 11時) (レス) id: 9ed78185c7 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - アレンさん» 4件目のゾロに驚いてしまいました！笑 あくまで私の解釈でのゾロになりますので手口が巧妙とはいえ頭がキレるとはまた違うようなものになってしまうかもしれませんがよろしいでしょうか？それでよければお受けさせて頂きます！ コメントありがとうございました！ (2023年4月7日 1時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - オプチャのゆらちさん» 確実に恋とかそんな可愛いものでは終わりませんが、大丈夫ですか？別のコメ欄と間違えてませんか？？ とはいえ、リクエストありがたいのでお受けさせて頂きます。スモーカーですね、了解しました。リクエストありがとうございました！ (2023年4月7日 1時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
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