何も知らない方がマシ【アーロン】 ページ16
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ーー種族ーー
人間でさえなければ。
そう考えたのは、一度や二度ではない。
小さな人間、コアラがタイヨウ海賊団に保護されたのと同時期にその少女もまた保護された。コアラよりも歳を重ねているとはいえ10代前半の容姿。海面に漂っていたところを、コアラの数少ないワガママで気まぐれに救われた少女、A。
目を覚ませば、他の人間と同じように魚人である彼らを拒絶し迫害するだろうと警戒していた。だがその少女は、何も覚えていなかった。己のことも、生まれのことも、人間と魚人の隔たりでさえも。
「みんな強いんだね、わたしもなれるかなあ」
「ハッ！人間の、しかも女のお前が？
オレたちには一生敵わねえよ！！」
「アーロンのいじわる〜」
大人しく従順なコアラでも時間のかかったアーロンに不思議と懐くその少女は、どれだけ拒絶されてもカルガモのようについていった。ジンベエやハチの方が余程友好的だが、少女はアーロンが良いのだと譲らない。
「ニュ〜〜、アーロンに懐くなんて肝が据わってるなあ」
「そう？かっこいいもん！」
「チュッ！もしかして、サメが好きなのか？」
「好き！船長さんもジンベエさんもカッコいいけど、アーロンが一番かっこいい！」
純粋無垢で快活明朗。記憶を失っているからこその性質なのか、獰猛なサメそのものであるアーロンに怯えず偏見を持たない言動。アーロンでさえ噛み付く隙がなかった。
隠れた差別意識に対して言及しても、「？？？」と理解する兆しすらない。
いつしかアーロンはついてくる少女を蹴飛ばすことをやめ、暴言も鳴りを潜め、外敵が来たら船の奥へと投げ捨ててから飛び出していくようになった。
あのアーロンが、と海賊団全体が戦慄するほどである。
「首を垂れて喜べ、ガキ。
いつかこの船を降りる時、このアーロン船長がお前を連れて行ってやる」
「！いいの？やったァ！」
いつしかアーロンは、この少女ならば人間であることを許してやってもいいと考えるようになった。
同じ魚人であればきっともっと深い部分に根を下ろすことを許していただろうと認めるほどに、少女を気に入っていたのだ。
「_______ァ、あ…………わた、し」
「どうしたんじゃ、A」
覗き込むジンベエに、より顔が白くなる。そばにいるコアラが笑顔のまま不安そうにその手を握ると、小さく震えていた。
全てが変わったのは、少女が記憶を取り戻したことだった。
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雅榴(プロフ) - アレンさん» ありがたいお返事ありがとうございます！私もゾロが好きなので、そう言って頂けるととても光栄です！ 普段はレスに返事はしないのですが、嬉しくてついしてしまいました笑 コメント、リクエストありがとうございました！これからもよろしくお願いします！ (2023年4月9日 23時) (
レス) id: 2b6c68b317 (このIDを非表示/違反報告)
アレン(プロフ) - 雅榴さん» 返事が遅くなり申し訳ありません。最推しでして、いつか雅榴様のお話でこんなシチュのゾロが読んでみたいと思っていたのでついリクエストしてしまいました。笑 全然大丈夫です、書いて頂けるだけで嬉しいのでお気になさらず！！宜しくお願い致します。 (2023年4月9日 22時) (レス) @page40 id: 6328e5ff6e (このIDを非表示/違反報告)
オプチャのゆらち(プロフ) - 雅榴さん» ドロドロもぐちょぐちょも大好物ですので！！お願いします！！ (2023年4月7日 11時) (レス) id: 9ed78185c7 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - アレンさん» 4件目のゾロに驚いてしまいました！笑 あくまで私の解釈でのゾロになりますので手口が巧妙とはいえ頭がキレるとはまた違うようなものになってしまうかもしれませんがよろしいでしょうか？それでよければお受けさせて頂きます！ コメントありがとうございました！ (2023年4月7日 1時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - オプチャのゆらちさん» 確実に恋とかそんな可愛いものでは終わりませんが、大丈夫ですか？別のコメ欄と間違えてませんか？？ とはいえ、リクエストありがたいのでお受けさせて頂きます。スモーカーですね、了解しました。リクエストありがとうございました！ (2023年4月7日 1時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
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