127話 ページ16
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「_____まったくあいつら、どこへ行きやがったんだ……あの狛犬、おれを乗せながらよく迷子になれるな……」
影も形も見えなくなった姿を探して荒野を歩く。
襲ってくる虎や猪を適当に斬り伏せながらおでん城を目指しているが、到底辿り着けそうにない。
まあ、こういうときはとにかく歩くに限る。
ふと、唇を噛み締めて黙り込んだまま瞳を彷徨かせる姿が脳裏に過ぎって、気を紛らわせようと頭を荒く掻く。話せない何かがあるのだと分かっていた。そこを無理に突いて吐かせようとするなんざ、敵の尋問でしかしなかったことだ。
元より酷くなっていた気配の薄さが更に悪化していたことと、その食の細さに口を噤むことこそ危険だと判断した。おれなりの決断であり、覚悟だったのだ。付き纏う孤独がどんなものであれ、信じ、受け入れると腹を決めていると。
「おまえには、何が見えてる？」
「……」
その結果、事態はやはり良くならなかった。
瞳に巣食う怯えと孤独。それらの中に宿る何かが見えそうになったと同時に視線が途切れ、再度繋がることもなく。見えそうで見えないもどかしさと、結局なにも言葉を紡がなかった頑固さにため息が漏れた。
顕著なその異変に自覚がないことが一番危ない。
いっそ、手鏡を叩き割ってしまえばよかったと舌打ちが漏れる。
もっと器用にやれればいいんだろうが、あいにくと得意ではない。ウソップのように明るく励ますことも、コックのように女の望むことを察することも、ブルックのように穏やかに寄り添うことも、フランキーのように大らかに受け入れることも、どうにも出来る気がしない。
「！船着き場！」
目線の先には、わいわいと喧騒がこちらまで届くほど賑わう船着き場。こことは別の場所にあるが、花が綺麗らしいと聞きつけ楽しげなAに連れられて乗ったことを思い出す。他にも何度か乗った記憶はある。あれに乗れば、おでん城に行くことができるかもしれない(無理である)。
「また乗るか！……そうだ、ついでに土産でも持っていこう」
ここしばらくマトモに飯を食う姿を見ていない。食べたと思えば少量で終わらせるばかり。さっきの量じゃ到底これからを乗り越えられないだろうから、次会うときに無理矢理にでも食わせようと画策しながら、船着場へと足を進めた。
尚、会計のことは何も考えていなかったので後にトノ康に拾われることになり、ゾロ十郎の頭に住む想像上のAが頭を抱えて天を仰いだのはゾロ十郎しか知らない。
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雅榴(プロフ) - あやさん» 今作で更に好きになれたなら嬉しいです〜！👏 たくさん楽しんで頂けたなら幸いです。こちらこそ読んで頂きありがとうございました！コメントもありがとうございました！ (2022年12月13日 16時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - この作品を読ませてもらって本当にドキドキとときめきが止まらなかったです！元々ゾロは好きだったのですがこの作品でもっと好きになりました。素敵な作品をありがとうございました✨これからも頑張ってください応援してます！ (2022年12月13日 9時) (レス) @page49 id: 0f7e0fb150 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - 翠さん» たくさんのお言葉ありがとうございます！とても楽しんで頂けたようでとても嬉しいです！長いし文も多いのに最後まで読んで下さってありがとうございました。時折頂けたコメントも嬉しかったしモチベになりました。コメントありがとうございました！(*´∀｀*) (2022年12月3日 20時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - なな姫さん» ありがとうございます〜！楽しんで頂けたなら何よりです！次回もまたONE PIECEかなと思っているので、その時もまたお付き合い頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました〜！ (2022年12月3日 20時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - 長文、何度ものコメント、失礼いたしました。お体にお気をつけて、過ごしていって下さい。今までも、これからも、応援しています！╰(*´︶`*)╯♡ (2022年12月3日 19時) (レス) @page49 id: eb4de4b192 (このIDを非表示/違反報告)
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