拾玖話 ページ19
，
さぁ、時は飛んで決戦の日。
立ちすくむは七人の赤鞘の侍と忍者一人と用人一人。
港は大荒れ、いたはずの四千の兵はおらず、跡形もなく砕け散った船の残骸が打ち上げられているだけだった。
頼みの綱のスマシは反応も応答もなく、血を吐く思いで叫ぶ錦えもんの声もまた届かなかった。
波は空高く手を伸ばし、それらを封殺するような勢いの鋭い雨が彼らの体に容赦なく打ち付ける。最早、叫ばなければ隣にいる者の声すらも聞こえないような暴風と共に彼らは立っていた。
「……やはり、皆の身に……何か起きたとしか……」
「………………小舟ならあるぞ……使えそうだ」
「何をしておる！イヌアラシ！よさぬか！！」
止める声も聞かずに一人、比較的傷と痛みのない船を浮かべるイヌアラシ。その小さな船一つで、この荒れ狂った海を越えることなどほぼ不可能なことなど、イヌアラシとて分かっていたのだ。
それでも、行くしかない。後ろに下がることも、立ち止まる事も許されない。彼らは光月おでんの家臣であり、主君の想いを討ち果たすために20年の時を超えて馳せ参じた気高き侍。
始まりの出会いはパンクハザード。だがそのずっと前から、彼らは果たすべき憤怒と復讐の炎に身も心も焦がしながらこの国に戻ってきた。
既に燃え盛ったその炎を、今更消すことも治めることも許されないのだ。
彼らが、侍であるが故に。
「出直そう、今いちど！！次のチャンスに」
「今日この刻を逃せば、次の
錦えもんの妻もいた九里も既に焼かれ、好機としたはずだった制圧した兎丼も撤退しては意味もなくカイドウの魔の手が伸びるだけ。
例え、訴えかける相手が主君の血を継ぐ息子だったとしても_______
もう、戻れないのだ。
「せっしゃはどうなる！？」
「______生きていただきたい……！日和様と共に……」
「勝手なことを申すな！」
「お父上も、最初は一人でござった」
「おいどんら、おでん様に出会わなければ」
「とうてい侍になどなれなかった、未熟者揃い……！」
「だからこそ我ら、最期までおでん様の……�犹��瓩任△蠅燭�
さぁ、さぁ、彼らを導くその手を伸ばせ！
，
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 315人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リエ - いえいえ、お忙しい中ありがとうございます！ご無理せず体調には気をつけてくださいね！ (2022年1月25日 18時) (
レス) id: 62560190e1 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - リエさん» コメントありがとうございました！ (2022年1月24日 20時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - リエさん» コメントありがとうございます。少々私生活が忙しくなってしまったのと、戦いが始まってどう参戦するかで悩んでしまい更新できずにいました。もうしわけないです……_:(´ཀ`」 ∠): もうそろそろ落ち着いてきて更新しようと思っているので、もう少々お待ちください！ (2022年1月24日 20時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
リエ - 更新楽しみに待ってます！ (2022年1月21日 23時) (レス) id: 62560190e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雅榴
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miraku/
作成日時：2021年12月19日 20時
