遠い遠い、在りし日よ ページ20
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ここを出ることも決まったので、海兵達を陸へ捨てる。ついでにジャブラが抑えていた大佐の身体を蹴って奪い取り、指の先で回して遊ぶ
「ねぇ、カク。せっかくだし船尾から陸に向かってどれだけ飛ばせるか競争しよう！」
「……負ける勝負を挑むとは、Aもバカじゃのぉ」
「なんだとぉ！？」
クマドリとフクロウにそれぞれ大佐の身体を投げてもらい、交互に蹴り飛ばす
道力2000を超えているだけあってなかなか厳しい。足癖の悪さで蹴り慣れてるのもあるんだろうけど
「チャパパ〜！カクの勝ちだ」
「正義と書いた玉じゃったからな、気合いを入れたわい」
「んー、惜しい！！」
あとちょっとだったんだけどなぁ。大佐の顔の玉は良い方に飛んだと思ったんだけど。ちょっと不満気に唇を尖らせると、マストの方からルッチが険しい目つきでこちらを見下ろす
「くだらねェ。さっさと出るぞ」
「はーい」
ルッチの言葉に渋々散り、閉じていた帆を張る。
海賊船に置いてあった物資や備蓄もこちらの船に移動し、あとは出航となった時、陸にこの島では見慣れない花が咲いているのが見えた
「あれ、女の子に貰ったやつじゃなかったっけ？
カリファ」
「えぇ……あれはここに置いていくわ」
「…………そっか」
場違いに咲く花。微かに根元が盛り上がっていて、植え直されたものだと分かりやすい。カリファはどこか遠い顔をして、海の方へ振り向き花から目をそらす
「行きましょう、A」
「……あぁ、行こうか」
ふと船首の方を見据える。
既に方向転換を終えた船の先には、無限に広がる海。
これから私たちは何処へ行くんだろう
きっと皆がずっと一緒の未来は無い。幼い日を共にしたカクも、いつしか必ず別の道を行く。むしろここまで同じだったことは奇跡に等しいのだから
「ーーーー海の、果て」
遠い昔に私が心躍らせた未知なる世界
退屈を持て余した私が夢見た冒険で、友の帰りを待ち続けた私が友はそこにいるはずと信じた場所
きっと素敵な場所だ。
だって、ずっと思い焦がれた場所なのだから
きっと残酷な場所だ。
だって、幾多の仲間を見捨ててきた末の場所なのだから
それでも前を見据えるこの背中を、目に焼き付けよう
この記憶を持って進むこの道の先に、きっとある
どれだけ遠くても良い。人生かけても辿り着けなくても。
「ねェ、カク」
「なんじゃ」
「ーーーーー」
嗚呼 私はあの時、なんて言ったんだっけな。
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雅榴(プロフ) - 由華さん» ありがたいお言葉をたくさんありがとうございます！随分前の作品にコメントして頂き嬉しいです。ワンピースは思い付いたら、程度なのでご期待に添えるか分かりませんが、出来る限り良い作品を作れるよう頑張ります！コメントありがとうございました！ (2021年8月18日 22時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
由華(プロフ) - だきます！ワンピースの作者さんもう何年も活動されてない方がとても多いのでなんだかすごく嬉しかったです笑これからも無理のないよう更新していただけると助かります！！ (2021年8月16日 17時) (レス) id: 26fc746bcc (このIDを非表示/違反報告)
由華(プロフ) - 今更この作品にたどり着きました…。何年も占ツクを愛用してますが、自らお気に入り登録したのはこの作品が初めてです。本当に号泣しました、とても良い作品に出逢わせていただいて感謝しかないです。雅榴さんはまだ活動されてるみたいなので、他の作品も楽しませていた (2021年8月16日 17時) (レス) id: 26fc746bcc (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - 深海さん» 有り難いお言葉をありがとうございます！後半など楽しく書けた作品でしたので、そう言って頂けてとても嬉しいです。コメントありがとうございました、今後ともどうぞよろしくお願いします！ (2020年2月25日 6時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
深海(プロフ) - 最高に最高でした…だめだ語彙力が失われていく…(( もう本当にこの作品を作ってくださってありがとうございます好きです… (2020年2月25日 3時) (レス) id: 442265d558 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅榴
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miraku/
作成日時：2020年2月22日 0時
