４６話 ページ46
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彼女は海へ投げた。彼らとの唯一の繋がりである、電伝虫を。
パァン……ッ！！
乾いた一発の銃声が船に響く。
いくら船が大きくても彼らは血に慣れた猛者達で、聴き慣れ過ぎた銃声にどれだけ深く眠っていた者でも飛び起きた。
最初は敵襲かと思ったが、海は不自然な程に穏やかだ。だったら誰かが誤って撃ったのかと思ったが、誰も名乗り出ない。
嫌な予感が募る。
「なぁマルコ、銃声は確かに響いたはずだよな？」
「あぁ、そのはずだよい」
「俺も聞いた。確かに誰かが撃ったはずだ」
それぞれの隊長達が集まる。誰か欠けていないかとの点呼や人数確認をする中、見つからないのだ。
「……な、なぁ、誰か、アイツはーー」
「ーーー誰か！！ナース！来てくれ！！！」
船中に響いた声。エースの言葉も遮って海に響き渡り、船に緊張が走る。
真っ先に飛び出したのは、エースだった。
「ーーーーー…………ぁ」
廊下を曲がり、人通りの少ない通路に差し掛かると、エースは震える瞳で不自然に固まり、膝から崩れ落ちた。
喉が震え、手が震え、足に力が入らない。
声を出そうにもどんどん乾いて行く為、声ではなく血反吐でも吐きそうだった。
バタバタとエースの後をついて来た仲間達。最後尾には白ひげがナースに付き添われて立っている
「ーーーーA！！！！！」
モビー・ディック号に、エースの悲鳴のような声が響いた。
ぐったりと壁にもたれる彼女はとても力が入っているとは思えない。彼女から流れ、床に染み付く血にエースの血の気が引く。
やけに遠く感じる通路を走る。そばにいた仲間を突き飛ばしそうな勢いで彼女に駆け寄り、力の入らない膝を奮い立たせた為に何度も崩れ落ちるが、彼女の手に己の手を伸ばす
どうか、どうか。お願いだ。
ーーーーーーどうして、
無我夢中で縋り付いたその手は、とうに冷えていた。
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雅榴(プロフ) - 草団子さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！我ながら懐かしいなと思いつつ、未だコメントを頂ける喜びを噛み締めております。コメントありがとうございました！楽しんで頂けたなら幸いです。 (2022年2月7日 2時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
草団子 - 神作品とは、まさにこの作品の為にあると思いました。 (2022年2月6日 15時) (レス) @page39 id: c9f8dc2643 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - おいしいくじらさん» 楽しんで頂けたようで何よりです(笑)かなり前に終わったにも関わらず閲覧していただきありがとうございました。別作品も楽しんで頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました！！ (2020年9月5日 1時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
おいしいくじら(プロフ) - あぁぁあぁあっ！！！好きです！！！！小さい頃のエースとの甘酸っぱいやり取りも、成長した2人の愛情もすごく好きですっっ！！ (2020年9月2日 7時) (レス) id: 6b76715b64 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - Mさん» 返信遅れてすみません！暖かいコメントありがとうございます、これからも好き勝手にしてはいますが、頑張りたいと思います。コメントありがとうございました！ (2020年2月13日 6時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅榴
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miraku/
作成日時：2020年1月24日 18時
