４０話 ページ40
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その後の事は、俺たちだけの秘密だ。
一年が過ぎ、とうとう出航の日。
ちょうどいい気に入った帽子も見つけて、それをかぶって気合いを入れる。前を見ると果てしない水平線。まだ俺の足は陸にあるが、後一歩踏み出せば小舟に乗って、自由に進めるんだ。胸が高鳴った。
俺は、海に出る。
「絶対すぐに追いついてやるからな、エース！」
「早々追いつかせるかよ」
意気揚々と意気込むルフィと拳を合わせる。
笑うルフィに俺も笑った。弟に負ける兄が何処にいる。絶対に、ルフィが手の届かないところまで突っ走ってやる。
「……いってらっしゃい」
ルフィの後ろで微笑むAの姿。マキノさんから譲ってもらった青のグラデーションが施されたワンピースを着ている。俺を見て、海を見て、次は自分だと胸を躍らせているように見える。
「……A」
「？」
チョイチョイと手招きしてこちらに呼び寄せる。
首を傾げ、少し急斜面なので足元に気をつけながら降りてくる。ルフィは降りてくるアイツに気を使ったのか、ゴムの腕を伸ばしてドグラ達のとなりの木を掴んで飛んでいく。そこまで行かなくてもいいだろうに
「なーーーーー」
なに、とでも言おうとしたのだろうか。今やもう迷宮入りだ。しかしそれでいい。それが良い。
アイツの手首を掴んで、強く引き寄せる。
斜面の為、珍しく頭の位置が近い。１４を過ぎたあたりからアイツの頭は少し遠くて、顔が見え辛く時々難儀したもんだ
目を見開くのが、俺の視界の最後。
首から後頭部にかけて手を添わせて、掴んだ手は手首からスルリと解いて指を絡めるように手を繋がせる。ビクリと跳ねた指にすら笑みが溢れる。忘れないように、一度だけギュッと強く手を握る
皆が見ている中で、キスをした。
「……！！？！？」
「「「「えぇぇえええええ！！！？？！？」」」」
「ん？」
「お前ら！Aは俺の女だから手ェ出すなよ！！」
そのまま陸を蹴って、船を陸から離す。
スルリと手が離れる。陸の瀬戸際で固まって動かないアイツに、してやったりと笑う。
喉からどんどん赤くなっていくアイツは今にも沸騰しそうで。手や体を震わせて
「ーーーびゃぁあああああああ！！！！」
「あっはっはっは！」
叫んだ。大絶叫も良いとこだ。
よくわかってないルフィに拳を掲げ、手を振った。
俺は、海に出た。
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雅榴(プロフ) - 草団子さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！我ながら懐かしいなと思いつつ、未だコメントを頂ける喜びを噛み締めております。コメントありがとうございました！楽しんで頂けたなら幸いです。 (2022年2月7日 2時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
草団子 - 神作品とは、まさにこの作品の為にあると思いました。 (2022年2月6日 15時) (レス) @page39 id: c9f8dc2643 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - おいしいくじらさん» 楽しんで頂けたようで何よりです(笑)かなり前に終わったにも関わらず閲覧していただきありがとうございました。別作品も楽しんで頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました！！ (2020年9月5日 1時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
おいしいくじら(プロフ) - あぁぁあぁあっ！！！好きです！！！！小さい頃のエースとの甘酸っぱいやり取りも、成長した2人の愛情もすごく好きですっっ！！ (2020年9月2日 7時) (レス) id: 6b76715b64 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - Mさん» 返信遅れてすみません！暖かいコメントありがとうございます、これからも好き勝手にしてはいますが、頑張りたいと思います。コメントありがとうございました！ (2020年2月13日 6時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅榴
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miraku/
作成日時：2020年1月24日 18時
