３２話 ページ32
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今度はアイツが俺と目を合わせられなくなった。
当時、鈍いを極めていた俺は何故なのか全くわからず、ルフィと一緒に首を傾げていた。
飯の時もいつも以上に部屋の隅で縮こまる。後ろから話しかけても振り返るのに時間がかかるし、菓子を渡すのもルフィになった。
なんなんだ。少し拗ねる。
唇を軽く尖らせて、鋭い目つきを更に鋭くさせる。
一緒に風呂に入りに行くところのルフィがヒョコリと横から顔を出し、俺の顔を覗く
「エース、顔怖ェぞ？」
「……うるせェ」
服を脱いで風呂に入る。頭から水を思いっきりかぶって苛立ちも一緒に洗い流そうとする。
ここにきて、話せるようになるのに軽く６年近くは経っている。６年だ。俺は、６年かけてアイツと話せるようになった。
それを今更！何故！アイツから避けられなきゃなんねェんだ！！
話す事自体を嫌がっている感じではない。ただ、話す過程において、何かが弊害になっている。それがなんなのかわからない為苛立ちが募る
風呂に荒々しく浸かり、目の下まで沈む。
ブクブクと息を吐いて気泡を浮かばせるとルフィがケラケラ喜ぶ。
「エース、どっちが先に服着れるか勝負だ！」
「ハッ、負けるかよ！」
ザバァ！と勢いよく立ち上がると水が波打って落ちて行く。桶の縁に足を引っ掛けて飛び降りると、ルフィも身軽についてくる
ビチャビチャの身体をどれだけ早く拭けるかが鍵だと思考しながら用意していたバスタオルを引っ掴む。ルフィもわしゃわしゃと荒々しく拭くので水滴が飛び散っている
「あ！！」
「！なんだよ、ルフィ」
「服！！」
どうやらズボンを履いてから上の服が無いと気付いたらしく、ルフィはリビングと風呂場を仕切る扉を蹴り開ける。既に頭の中は勝負でいっぱいらしい。
「おい待て、バカ！！」
リビングには確かーーーーー
「……！！！？！？」
案の定、悪い予感は当たり明日の飯の下準備をするアイツがいた。
持っていた皿が落ち、パリィン！と割れる。とうのルフィはビチャビチャの身体のまま呑気に服を引っ張り出している。パクパクと口を動かして固まるアイツなど眼中にない。
「……あ」
「…………ぁ」
ルフィを見ていたアイツと目が合う。
俺も咄嗟に腰にバスタオルを巻いたものの、上半身は何も身につけていない。いわゆる、半裸。いつもより酷い。
「ーーーーびゃぁあああああ！！！！！」
「！！？」
真夜中の森に、アイツの絶叫が轟いた。
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雅榴(プロフ) - 草団子さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！我ながら懐かしいなと思いつつ、未だコメントを頂ける喜びを噛み締めております。コメントありがとうございました！楽しんで頂けたなら幸いです。 (2022年2月7日 2時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
草団子 - 神作品とは、まさにこの作品の為にあると思いました。 (2022年2月6日 15時) (レス) @page39 id: c9f8dc2643 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - おいしいくじらさん» 楽しんで頂けたようで何よりです(笑)かなり前に終わったにも関わらず閲覧していただきありがとうございました。別作品も楽しんで頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました！！ (2020年9月5日 1時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
おいしいくじら(プロフ) - あぁぁあぁあっ！！！好きです！！！！小さい頃のエースとの甘酸っぱいやり取りも、成長した2人の愛情もすごく好きですっっ！！ (2020年9月2日 7時) (レス) id: 6b76715b64 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - Mさん» 返信遅れてすみません！暖かいコメントありがとうございます、これからも好き勝手にしてはいますが、頑張りたいと思います。コメントありがとうございました！ (2020年2月13日 6時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅榴
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miraku/
作成日時：2020年1月24日 18時
