３０話 (追加しました) ページ30
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１５の夏。
出航の日が現実味を帯びてき始める時期で、ルフィも少しこの頃から出航してからの話をする頻度が増えていた
１４の冬からアイツがまた俺たちの組手を観戦しに来るようになった。昔のように救急箱片手に。
ルフィは飛んで喜んだし、正直俺も嬉しかった。
あれ以来、より一層笑うようになった。
何か吹っ切れたのだろうかと詮索するのも野暮で、ただ黙って受け入れて、話してくれる日が来るのかも知れないから腰を据えてドッシリ構えていようと思う。
そして、元々の体温が高い所為か、俺がシャツの前を全開にし始めたのは多分この頃くらいだ。
アイツと目が合わなくなったのも。
「……おい」
「………………」
首の筋をやらかしてしまいそうなくらいにそっぽ向くコイツに青筋が浮く。ようやく目を合わせて話すことも難なく出来始めたのに、なんでその本人から逸らされるんだよ
理不尽過ぎる苛立ちが頭を占めて、左手でそっぽ向くコイツの顎を掴む。ビクッ！と肩を跳ねさせるのも気にせず、多少の手加減をしながらも思いっきりこちらに顔を向けさせる。そのまま右手で首に手を添えて更に固定。
「こっち見ろ」
目が見開かれる。相変わらず表情が豊かな奴だと思いながらも穴が空くほどに目を見続けている。
相変わらず、昔と変わらない目だ。
海面のようにまばらに光り、海よりも深く言い様のない色は光の当たり方で色の濃淡が変わる、見ていて飽きない目。永遠に見ていられる目だ。そう思うと同時に、もう引き返せねェくらいに惚れてんだな、と苦笑い。
すると徐々に固まっていたコイツの口角がわななく
「っ〜〜〜前、閉めて！！」
「いってェ！！」
聞いたことのない大声に予想しておらず耳にキィーンと響く。そのまま脳天にチョップを入れられた。
思いのほかクリーンヒットしたそれは動揺もあって思わずうずくまって頭を抑える
一瞬迷ったものの、すぐさまダダンの後ろへ逃げるアイツ
「…………なんだ、あれ」
気のせいだろうか。俺の都合の良い幻覚か何かか。
口角がわなないた時、アイツの顔は沸騰しそうな程に真っ赤だった。出した声も震えていたがそれは怯えとは違うと分かる。
…………え。
途端に俺の手が熱を持ち、何をやってんだとしばらくそこから動けなかったのは久々だった。
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雅榴(プロフ) - 草団子さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！我ながら懐かしいなと思いつつ、未だコメントを頂ける喜びを噛み締めております。コメントありがとうございました！楽しんで頂けたなら幸いです。 (2022年2月7日 2時) (
レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
草団子 - 神作品とは、まさにこの作品の為にあると思いました。 (2022年2月6日 15時) (レス) @page39 id: c9f8dc2643 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - おいしいくじらさん» 楽しんで頂けたようで何よりです(笑)かなり前に終わったにも関わらず閲覧していただきありがとうございました。別作品も楽しんで頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました！！ (2020年9月5日 1時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
おいしいくじら(プロフ) - あぁぁあぁあっ！！！好きです！！！！小さい頃のエースとの甘酸っぱいやり取りも、成長した2人の愛情もすごく好きですっっ！！ (2020年9月2日 7時) (レス) id: 6b76715b64 (このIDを非表示/違反報告)
雅榴(プロフ) - Mさん» 返信遅れてすみません！暖かいコメントありがとうございます、これからも好き勝手にしてはいますが、頑張りたいと思います。コメントありがとうございました！ (2020年2月13日 6時) (レス) id: 7a47bd801a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅榴
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Miraku/
作成日時：2020年1月24日 18時
